ヘブライ語以外わかりませんモードでも
ポケトーク(POCKETALK)という音声翻訳機があります。
音声翻訳機とは、
- 日本語音声を外国語音声に翻訳する
- 外国語音声を日本語音声に翻訳する
ができるデバイスです。
つまり、ポケトークを使うと言葉の通じない外国人同士で会話ができます。
ポケトーク1台で以下の言語に対応しています。
- アイスランド語(Icelandic)
- アゼルバイジャン語(Azeerbaijani)
- アフリカーンス語(Afrikaans)
- アムハラ語(Amharic)
- アラビア語(Arabic)
- アルバニア語(Albanian)
- アルメニア語(Armenian)
- イタリア語(Italian)
- インドネシア語(Indonesian)
- ウクライナ語(Ukrainian)
- ウズベク語(Uzbek)
- ウルドゥー語(Urdu)
- アメリカ英語(American English)
- イギリス英語(British English)
- インド英語(Indian English)
- オーストラリア英語(Australian English)
- フィリピン英語(Philippine English)
- エストニア語(Estonian)
- オランダ語(Dutch)
- カタルーニャ語(Catalan)
- ガリシア語(Galician)
- 韓国語(Korean)
- 広東語(Cantonese)
- カンナダ語(Kannada)
- ギリシャ語(Greek)
- グジャラート語(Gujarati)
- クメール語(Khmer)
- クロアチア語(Croatian)
- ジャワ語(Javanese)
- ジョージア語(Georgian)
- シンハラ語(Sinhala)
- スウェーデン語(Swedish)
- ズールー語(Zulu)
- スペイン語(Spanish)
- スロバキア語(Slovak)
- スロベニア語(Slovenian)
- スワヒリ語(Swahili)
- スンダ語(Sundanese)
- セルビア語(Serbian)
- タイ語(Thai)
- タミル語(Tamil)
- チェコ語(Czech)
- 中国語 簡体(Chinese Simplified)
- 中国語 繁体(Chinese Traditional)
- テルグ語(Telugu)
- デンマーク語(Danish)
- ドイツ語(German)
- トルコ語(Turkish)
- 日本語(Japanese)
- ネパール語(Nepali)
- ノルウェー語(Norwegian)
- バスク語(Basque)
- ハンガリー語(Hungarian)
- バンジャーブ語(Panjabi)
- ヒンディー語(Hindi)
- フィリピノ語(Filipino)
- フィンランド語(Finnish)
- フランス語(French)
- フランス語(カナダ)(French(Canada))
- ブルガリア語(Bulgarian)
- ベトナム語(Vietnamese)
- ヘブライ語(Hebrew)
- ペルシャ語(Persian)
- ベンガル語(Bengali)
- ポーランド語(Polish)
- ボスニア語(Bosnian)
- ブラジルポルトガル語(Brazilian Portuguese)
- ポルトガル語(Portuguese)
- マケドニア語(Macedonian)
- マラーティー語(Marathi)
- マラヤーラム語(Malayalam)
- マレー語(Malay)
- ミャンマー語(Burmese)
- モンゴル語(Mongolian)
- ラオ語(Lao)
- ラトビア語(Latvian)
- リトアニア語(Lithuanian)
- ルーマニア語(Romanian)
- ロシア語(Russian)
よくある英語、中国語、韓国語だけというモノではなく、例えばヘブライ語以外わかりませんモードの外国人にも対応できます。
現在、ポケトークは以下の3種類が発売されていますが、ポケトークS Plusは3.97インチ画面の「大画面ハイエンドモデル」という位置づけです。
位置づけ | 画面サイズ | |
---|---|---|
ポケトークS Plus | 大画面 ハイエンドモデル | 3.97インチ |
ポケトークS | ハイエンドモデル | 2.8インチ |
ポケトークW | エントリーモデル | 2.4インチ |
付属の取扱説明書
ポケトークは音声翻訳機ですから来日した外国人に渡して使ってもらいたい、という場面はありそうです。
説明しながら手渡せない場合、外国人に自力でセットアップ(Wi-Fi設定など)と操作を理解してもらうことになります。
付属する紙の取扱説明書の表紙には簡体(中国本土で使われている漢字)で「多国语言说明书」(多言語マニュアル)と記載があります。

しかし、紙の取扱説明書の中身は日本語のみで簡体による説明はありません。
つまり、「多国语言说明书」の記載は紙の説明書に簡体表記もあるという意味ではなく、その下に記載されているURLかQRコードから https://rd.snxt.jp/PS251 (ポケトークサポートページ) ご確認ください、という意味です。
ただ、Webを開くと目に飛び込んできたのは以下のような画面でした。

日本語能力にもよるのでしょうが、この時点で諦めてしまう外国人はいそうです。
この画面を下にスクロールしていくと「各言語のオンラインマニュアル」の記載があり、多言語(ポケトーク本体がサポートする62言語すべてではありません)のWebマニュアルを参照できます。

システム言語
そんなわけで外国人に渡して使ってもらう場合は、いきなり未開封のポケトークを送付するようなことはせず、Wi-Fi設定を済ませ、システム言語(ポケトークを操作する言語)を母国語に設定して渡した方が良さそうです。
スマホと同じでシステム言語さえ理解できればマニュアルはなくても使えると思います(管理人もマニュアルを見たのは後述の翻訳履歴の出し方くらいです)。
システム言語は記事更新時点で以下が設定可能でした(画面に映り込みがあって見づらいと思いますが、スクリーンショットは撮れないようなので……)。


ただ、日本語学習のためにスマホのシステム言語を日本語にしているような外国人には余計なお世話となるかもしれませんが……
大画面モデルでもコンパクト
ポケトークS Plusは「大画面ハイエンドモデル」ではあるのですが、実際に手にしてみるとコンパクトです。
管理人が普段使っているスマホは6.5インチのiPhone XS Maxですが、それに比べると小さく感じます。

ジーンズの前ポケットにも下の写真のような状態からスッポリとポケットに収まり見えなくなります。

名前に「Plus」のつかない「ポケトークS」はさらに小さいはずで、公式ページでは名刺サイズと記載されています。
また、性能は「ハイエンド」とされているポケトークS Plusと同じで違うのは画面サイズとバッテリー容量が小さくなっているだけです。
両方を使い比べたわけではありませんが翻訳機能で会話中、2人で画面を覗き込む時も語学学習用(後述)として使う場合も画面が大きいポケトークS Plusのほうが良さそうです。
胸ポケットにも入る名刺サイズがいい、というのでなければ大画面のポケトークS Plusを選んだほうが後悔しないかもしれません。
充電器
付属のUSB充電器もコンパクトで充電は付属のUSBケーブルをUSB type-C端子に差して充電します。

ただ、スマホ用のUSB充電器でもパソコンのUSBポートでも問題なく充電できていますのでポケトーク付属の充電器はあまり使っていません。
音声翻訳
音声翻訳するには翻訳方向を合わせる必要があります。
例えば中国語(簡体)から日本語への翻訳になっている状態(下の写真)で日本語から中国語へ翻訳したいなら真ん中の↓ボタンを押します。

すると下の写真のように日本語から中国語へと翻訳方向が反転しますので、下部の発話ボタンを押しながら日本語で翻訳したい内容を話します。

ポケトークに翻訳させながらの会話では、発話の前に翻訳方向の切り替えボタンと発話ボタンを押すため、ちょっと忙しくなります。
発話ボタンなしで話した内容を自動で言語判別しながら翻訳してくれれば楽なのですが、バージョンアップに期待といったところです。
ちなみに会議などで話された内容をテキスト化するAutoMemo(オートメモ)というAIボイスレコーダーもあります。
日本語だけでなく世界72言語をテキスト化(翻訳機能はありません)できるボイスレコーダーですがポケトークと同様、言語の自動判別はできません(言語設定が必要です)。
発話が長くなる
翻訳結果が音声で出力されると同時に画面に発話内容と翻訳結果のテキストが表示されます。

「ここから電車でディズニーランドに行くには少なくとも3回乗り換えが必要です。」と日常会話としてはちょっと長い発話が翻訳音声とテキストになるのは驚きです。
ポケトークに翻訳させながら会話していると自然に1回の発話が長くなります。
- 翻訳方向切り替えボタンと発話ボタンを押すのが面倒。
- 短い発話より長めの発話の方が翻訳精度が高い。
とはいえ、人間の通訳なしで言葉の通じない人と会話が成立してしまうのは凄いとしかいいようがありません。
翻訳履歴の活用
前述の翻訳結果のテキストは翻訳履歴として後から参照できます。
翻訳履歴の出し方はポケトークの画面を上から下にスワイプです(この操作だけはマニュアルを見なければわかりませんでした)。
この翻訳履歴は語学学習や議事録作成などに使えます。
市販の語学教材の例文は自分が実際の仕事などで使う外国語とはかけ離れている場合がほとんどですが、ポケトークの翻訳履歴は自分が体験した内容であり、自分の状況にピッタリ合った語学学習の素材になります。
ある程度話せる言語でもあえてポケトークを介して会話し、後から翻訳履歴を見るといろいろと「気づき」があります。
カメラ翻訳
カメラ翻訳とはポケトークのカメラで外国語の文章を撮影し、翻訳(発音とテキスト表示)させる機能です。
特に外国でレストランのメニューが読めず注文できない時などに便利そうです。
お菓子の袋に記載された外国語で試してみました。

お菓子の袋は凸凹があるので難しいと思いましたが、難なく読み取りました。

「蟹肉風味のソ……」で文字が切れていますが、その部分をタップすると切れている部分が確認でき、中国語と日本語の発音が聞けます(日本語発音は日本人には意味がありませんが外国人には必要です)。

袋の裏面の原材料表記をカメラ翻訳しようとすると文字が小さいためにピントを合わせるのに数秒かかります。
小さい文字でもすぐにピントが合うiPhoneのカメラに慣れていると違和感があります。
文字数が多いと翻訳に時間がかかるようで撮影後、以下の画面になるまで20秒以上かかりましたが翻訳はできています。

会話レッスン
会話レッスンとはポケトークの音声認識機能を使って外国語会話をレッスンする機能です。

レッスンできる言語やシーンはソフトウェアアップデートによって増えるかもしれません(実際、アップデート前は中国語レッスンがありませんでした)が、記事更新時点では以下のシーンの英会話と中国語会話レッスンが可能でした。
シーン | レッスン |
---|---|
空港・機内 | 機内食を注文する / 入国審査 / 両替する / ホテルへの移動 / 搭乗手続き |
ホテル | チェックイン / 館内施設について尋ねる / 朝食の案内 / 周辺施設について尋ねる / 部屋のお湯が出ない / 鍵の紛失 / 体調不良 / チェックアウト |
移動 | 道を尋ねる / 切符を購入する / 電車に乗る / 紛失 / タクシーに乗る / バスに乗る |
レストラン | 食事を注文する / 入店する / トイレの場所を尋ねる / 注文と違う / 食事の感想 / 会計する |
観光 | チケットを購入する / 開館時間を尋ねる / 写真をとってもらう / 撮影可能か尋ねる / 観光ツアーを申し込む |
ショッピング | 商品を探す / 値段を尋ねる / 商品を選ぶ / 試着する / 支払う / 免税店での買い物 |
大量に売られている「旅行英会話」みたいな本の内容とそっくりです。
そうした本のフレーズを暗記して旅行に出かけたことは何度もありますが、実際の旅行先では相手が想定外のことを言ってきた途端、会話が成立しなくなる、の繰り返しでした。
ポケトークの会話レッスンでは例えば「入国審査」のシーンを選択すると入国審査官のAIが(英語か中国語の)音声で突然、「次の人、入国目的は?」と聞いてきます。

そんな簡単な会話でも音声では案外聞き取れないものです(本で勉強していると聴いてもわかる気持ちになってしまいますが)。
聞き取れない時に「もう一度聞く」みたいな選択肢があるといいのですが、残念ながらそれはなく、「会話を表示(AIが話した内容が文字で表示される)」か「ボタンを押したまま話す(音声で質問に回答する)」の二択です。
ポケトークのボタンを押しながら自分の英語や中国語で回答するとその内容に応じてAIが返答します。
ありがちな「仕事か観光かの二択」などではなく、「XX市にXXの仕事で出張に来ました。」など実際に旅先で自分が言うべき内容をAI相手にレッスンできるのはポケトークの大きなメリットです。
外国語の発音が悪くて通じない、というありがちな問題も自分の発音した画面に文字で表示されるのでレッスンを繰り返すうちに通じる(AIが理解できる)発音で話せるようになりました。
手っ取り早く「旅行英会話」を習得したいだけでもポケトークを購入する価値はあるかもしれません。
ちなみにAmazon Echoを使ってAI相手に英語でシーンを限定しないで会話する方法もありますが、ポケトークの会話レッスンと比べて遥かに難易度が高くなります。
語学学習用として購入するのもありでは
ポケトークは音声翻訳機(通訳ツール)として売られており、翻訳方向切り替えや発話ボタンの手間はあるものの、ほぼ実用レベルに達しています。
自分が全くわからない言語でポケトークを介して会話するもちろんありなのですが、言語学習用に購入するのもありではないかと思います。
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