ソースネクストのオートメモS (AutoMemo S)の精度をレビュー

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本体サイズ

オートメモ Sとは

オートメモ S(AutoMemo S)とは会議などの録音や文字起こし(テキスト化)ができる「AIボイスレコーダー」です。

一般的なボイスレコーダーでは録音した内容を聴きながら人間が文字起こしする必要があります。

文字起こしは少し再生しては止めてタイピング、少し再生してはタイピング……の繰り返しで時間のかかる作業です。

議事録などを作成するために面倒な文字起こしを余儀なくされている人も多いのではないでしょうか。

外観

パッケージに「ボイスレコーダー」の文字はなく、パッケージだけ見るとiPodのような写真から音楽プレーヤーと見間違う人もいるのでは(iPodもマイクを接続すれば録音できますし)。

パッケージ

「AutoMemo」と印刷されたACアダプタは5W(5V1A)のUSB-A端子のものなので、スマホやタブレットで使っているものを兼用できる人は多そうです。

ACアダプタ

カラー印刷の取扱説明書が付属していますが、表紙左下のQRコードをスマホで撮影するとサポートページのオンラインマニュアルをスマホなどから参照できるため、紙の取扱説明書は使わなくなりそうです。

取扱説明書

本体はいわゆる「手のひらサイズ」です。

手のひらサイズ

会議参加者やインタービュー相手に録音への同意を得ていても「録音されている」と感じさせるのを避けるためにボイスレコーダーの存在感は小さいに越したことはありません。

そのためか、一般的なボイスレコーダーはほとんどが小さなスティック型です。

それに対し、Auto Memo Sは文字起こしされた内容を確認するための液晶画面があります。

単純に視認性と操作性だけ追求すれば液晶画面はもっと大きくできるのでしょうが、画面を大きくすれば存在感が増し、抵抗を覚える人もいるかもしれません。

そういう意味でAuto Memo Sのサイズは操作性・視認性と存在感のバランスが取れていると言えそうです。

iPodっぽい外観も存在感を小さくするのに一役買っています。

ちなみに画面がなくスティック型の姉妹製品も製品名に「S」のつかない「Auto Memo」として販売されています。

会議参加者やインタービュー相手によってはAuto Memo Sより存在感の小さいAuto Memoのほうが無難かもしれません(ちなみにSのつかないAutoMemoは価格改定でお買い得感があります)。

AutoMemo
旧価格 19,800円 新価格 9,900円
ディスプレイ無しのスティック型

本体の上部には小さな穴があり、内部にマイクとスピーカーがあります。

マイクとスピーカー

スマホにもボイスレコーダーアプリはありますが、スマホのマイクでは離れた場所の声を綺麗に拾えません。

本体下部は写真左からイヤホン端子、充電用のUSB Type-C端子、マイク端子です。

イヤホン端子、充電用USB-C、マイク端子

USB Type-Cでパソコンと接続すると録音結果を取り出せそうな気がしますがそれはできず、USB端子は充電専用です(録音結果はクラウド経由で取得します)。

また、前述のように本体上部にマイクがあるのに本体下部にマイク端子がある理由はパソコンによるリモート会議を録音するためです。

Auto Memo Sとリモート会議のパソコンを接続するリモート会議録音用ケーブル(抵抗入り3極ステレオミニプラグ) ATM-AUDが販売されています。

ただし、リモート会議のパソコンにケーブルを接続するとパソコンのスピーカーからは音が出なくなるため、スピーカーから会議の音を聞くには別のパソコンやスマホなどが必要になります。

物理ボタンはディスプレイ下の丸いボタンの他は本体側面の電源ボタン(下の写真)のみです。

電源ボタン

電源ボタンはスマホやタブレットと同じ、短押しでスリープ復帰/スリープ、長押しで電源ON/電源オフ(または再起動)のタイプです。

Wi-Fi環境とGoogleまたはAppleアカウント

Auto Memo Sを使うためにはWi-Fi環境とGoogleまたはAppleアカウントが必須です。

Wi-Fi環境とGoogleまたはAppleアカウント

ただ、これらのアカウントが何のために使われるかはよくわかりません。後述のメール送信機能でもこれらのアカウントとは関係ない複数のメールアドレスに録音結果を送信できます。

Wi-Fi環境も必須で、ないとセットアップもできないので準備しておく必要があります。

会社のWi-FiなどではプロキシやDNS設定を必要とする場合がありますが、設定可能です。

Wi-Fiパスワード

Wi-Fiのパスワード入力ではAndroid 10(Auto Memo Sの基本ソフト)のソフトウエアキーボードがそのまま表示され、小さな画面なので少し苦労します。

Wi-Fiパスワード

この小さなキーボードは録音結果を送信するメールアドレスやクラウドストレージの設定でも使われますが、最初の設定だけなので頑張りましょう。

データの扱い

Auto Memo Sを使うためには利用規約に同意する必要があります。

利用規約

利用規約は読まないという人もいるかもしれませんが、Auto Memo Sの利用規約は一読しておくことをおすすめします。

Auto Memo Sは録音データをクラウドに保存します。保存容量は無制限、かつ保存期間もない(Auto Memo Sでデータを削除するとクラウドのデータも削除されます)ため一般的なボイスレコーダーと異なり、録音時間を気にする必要がありません。

文字起こしもクラウド上で実行されます。

その仕組み上、多くの人が気にするだろうと思われるデータの扱いについてもこの利用規約に以下のように明記されています。

第5条(本サービスの利用方法及び利用上の注意事項)
3. 本サービスは、音声認識エンジンを提供する第三者のパートナー企業のシステムを用いて音声認識等を行います。ただし、当社及び当該パートナーの企業は、本音声データ、本テキストデータその他利用者による本サービスの利用によって得られたデータを閲覧、その他利用するものでもありません。

第13条(情報の取扱い)
当社ウェブサイト又は本サービス上において、利用者が本端末を利用して送信した音声データ及び当該データをテキスト化したデータについて、当社は閲覧又は利用することはありません。ただし、本サービスの利用頻度、時間のデータ等のデータは除きます。

オートメモ S ご利用規約

利用料金

無料で文字起こし(テキスト化)できる録音データは月に1時間分までです。

1時間を超える録音データを文字起こしするのは有料になります。

無料 月に1時間まで
プレミアム 毎月30時間まで980円
(翌月への繰越なし)
10時間チャージ 1回1,480円
(翌月への繰越可)

議事録作成など仕事に使うなら「プレミアム」で毎月980円を支払うことになると思いますが、文字起こしにかかる工数を考えれば高くはないのではないでしょうか。

利用料は「ソースネクストID」に紐付いたクレジットカードから支払われます。

ソースネクストIDは販売元であるソースネクストの公式サイトでAutoMeme Sを購入する際に作成することになります。

録音前に共有設定

録音データは録音終了時に以下の複数の方法で共有されます。

  • メール送信
  • Google Driveに保存
  • OneDriveに保存

既に録音されたデータを後から共有する方法は見当たらないので、録音する前に共有設定を済ませておく必要があります。

メール送信先のメールアドレスはセットアップ時に入力したGoogleアカウントやAppleアカウントと関係なく複数設定できます。

メールアドレスを追加しようとすると以下のようなメールが届きます。

件名: オートメモ転送先メールアドレスの確認

オートメモをご利用いただきありがとうございます。
次のリンクをクリックして、転送先メールアドレスの承認をしてください。

https://app.automemo.com/automemo_server/web/email/confirm?token=……

メール中のリンクをクリックするまでメールアドレスの追加は完了しないため、誤ったメールアドレスに文字起こしされたデータを送信してしまうリスクは低そうです。

Auto Memo Sで録音完了すると転送先の複数のメールアドレスに以下のようなメールが届きます。

件名: オートメモ録音結果(XXXX/XX/XX XX:XX)

文字起こしされたテキスト

音声リンク:
https://share.automemo.com/automemo_server/web/share/redirect?token=……

録音日時:XXXX/XX/XX XX:XX
録音端末名:XXXX/XX/XX_オートメモ S
録音端末識別子:XXXXXXXXXXXXXXXX

本メールはオートメモの自動転送をONにしている方にお送りしています。

メール中の「音声リンク」をクリックすると録音データのMP3ファイルがダウンロードできます。

そう聞くと録音データが自社管理でないクラウドに残ることに不安を感じる人もいるかもしれませんが、Auto Memo S上で削除すればクラウドから削除され、メール中の音声リンクも無効になります。

(共有設定していれば)Googleドライブにも以下の場所に同時に保存されます。

OneDriveでは以下の場所です。

録音操作

ディスプレイの下の丸いボタンを押すと録音が開始されます。

録音中は丸いボタンが光り続けるため録音中であることが一目でわかるのですが、会議中やインタービュー中に気にする人はいるかもしれません(ボタンは録音中以外にも電源投入後や操作中などに光る場合もあるのですが、どういう規則で光っているのかよくわかりません)。

録音中

上の写真の画面下にあるを押すとブックマークができます。

オートメモ Sのブックマークとは録音データの区切りのようなもので、後から再生する時の頭出しに使えます。

ただ、録音データは自動で文字起こしされテキスト検索できるため、録音中にブックマークに気を取られるよりは会議やインタビューに集中したほうがいいかもしれません。

文字起こしの精度

前述の「オートメモ S ご利用規約」から

第5条
本サービスは、音声認識エンジンを提供する第三者のパートナー企業のシステムを用いて音声認識等を行います。ただし、当社及び当該パートナーの企業は、本音声データ、本テキストデータその他利用者による本サービスの利用によって得られたデータを閲覧、その他利用するものでもありません。

第13条
当社ウェブサイト又は本サービス上において、利用者が本端末を利用して送信した音声データ及び当該データをテキスト化したデータについて、当社は閲覧又は利用することはありません。ただし、本サービスの利用頻度、時間のデータ等のデータは除きます。

オートメモ S ご利用規約

を「速めの速度で朗読」し、3m程離れたデスクに置いたオートメモ Sに録音すると、文字起こし結果は以下になりました(は改行です)。

第5章。
本サービスは、音声認識エンジンを提供する第3社のパートナー企業のシステムを用いて音声認識等を行います。ただし、当社及び当該パートナーの企業は、本音声データ、本テキストデータ、その他利用者による本サービスの利用によって得られたデータを閲覧その他利用するものではありません。第13条。
当社webサイトまたは本サービス上において、利用者が本端末を利用して送信した音声データおよび当額データをテキスト化したデータについて。当社は閲覧または利用することはありません。ただし、本サービスの利用頻度。
時間のデータ等のデータは除きます。

これを見て最初に気になるのは改行()の基準だと思います。

取扱説明書では改行頻度を調整できるとなっているのですが、オートメモ Sの実機には該当するメニューを見つけられませんでした。

「第5章」と言った後と、「第3章」と言った後は一呼吸おいているので文と文の時間が長いと改行になるようです。

「本サービスの利用頻度」の後が改行なのはよくわかりません。

それにしても、これだけの精度で文字起こしされるのは驚きとしか言いようがありません。

句読点までついています。

これなら録音からの文字起こしに時間を取られている人にAutoMemoはおすすめと言えます。

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