
電子書籍の自炊とは紙の本を裁断してスキャンし、電子書籍にすることです。
自炊した電子書籍は「自炊本」と呼ばれます。
本を裁断する
紙の本を電子書籍にするためにはすべてのページを切り取る裁断という作業が必要になります。
本をバラバラにするのはちょっともったいない気がしたのですが、実際には自炊して電子書籍リーダーで読めるようになると、いつでもどこでも本が読めるので電子書籍にしたほうがはるかに有効に本を活用できています。
電子書籍の自炊で一番手間がかかるのがこの裁断です。
自炊を初めた当初は普通のカッターで時間をかけて裁断していたのですが、自炊裁断機を導入してから裁断作業はまったく苦にならなくなっています。
ただ、裁断機も後述のスキャナも安くはないため、本の自炊作業が短期間であれば購入するよりレンタルしたほうが安くつきます。
裁断した本をスキャンする
スキャンとは裁断した本をパソコン(WindowsでもMacでもOKです)に取り込む作業です。
通常のスキャナでは取り込み時間がかかり過ぎるため、ドキュメントスキャナが必要です。
ちなみにScanSnap iX1600は石川県かほく市にふるさと納税すれば実質2,000円で入手可能です。
PDFでなくJPG形式でスキャンする
ScanSnapを含むドキュメントスキャナは取り込んだファイルをPDFかJPGで保存できますが、自炊本を活用するならPDFよりJPGでスキャンするのがオススメです。
うっかりPDFでスキャンしてしまった場合はPDFから画像を抽出する必要があります。
CBZファイルを作成する
ドキュメントスキャンで保存した複数のJPGファイルをZIPにまとめて圧縮し、拡張子をCBZに変更します。
このようなCBZファイルは自炊本によく使われています。
オンラインストレージに保存する
パソコンのハードディスクには寿命があり、いつかは壊れます。
せっかく作成した自炊本をハードディスクやパソコンの故障などで失わないため、また電子書籍リーダーから好きな時に読めるようにするためにはオンラインストレージへが必須です。
Dropbox Plus | OneDrive (Microsoft 365 Personal) | |
---|---|---|
15,840円/年 | 12,984円/年 | |
容量 | 2TB | 1TB |
Kobo Elipsa KOReader | ◯ | × |
マイクロソフトOffice | × | ○ |
定番はDropbox Plusで2TBの容量があり、自炊本の保存用途で容量が足りなくなることはあまり考えられません。
また、自炊本向けの多くのアプリがDropboxに対応しています。
OneDriveはWindowsの標準オンラインストレージサービスですが、無料では5GBの容量しかないため、自炊本の保存にはまったく足りません。
Microsoft 365 Personalというサービスを契約することでOneDriveの容量が1TBになります。
Microsoft 365 PersonalとはマイクロソフトOfficeのすべてのアプリ(Excel、Word、OneNoteなど)を2台までのWindowsかMacで使えるというサービスです。
電子書籍リーダーへの転送
オンラインストレージなどに保存した自炊本は何らかの方法で電子書籍リーダーへ転送する必要があります。
電子ペーパーのKindle
電子ペーパーのKindleへの自炊本の転送は以下の手間が必要です。
- 自炊したCBZやPDFをKindle専用形式(mobi)に変換する。
- 変換した自炊本をUSBケーブルでパソコンからKindleへ転送する
電子ペーパーのKobo
Kobo ElipsaであればDropboxに保存されている自炊本をダウンロードして読めます。
Kobo Elipsa以外のKobo端末は標準ではDropboxからのダウンロードはできません。
しかし、KOReaderを使うとKobo ElipsaのようにDropboxから自炊本をダウンロードできます。


microSDカード対応端末
大容量のSDXC microSDカードが使えるタブレットなら、すべての自炊本をmicroSDに入れてしまえばそもそも転送する必要がなくなります。
Likebook P78 Proは最大256GB、Fire HD 10は最大1TBのSDXC microSDカードに対応しています。



iPad / iPhone
iPad / iPhoneならComicShareというアプリがストリーミングをサポートしています。
ストリーミングとは自炊本を1冊まるごとダウンロードしなくとも、必要なページだけを少しずつダウンロードしながら読むことです。
例えば、自炊本の内容の一部だけ確認したい、読みたい、などということがよくあります。
そんな場合でも通常ならオンラインストレージからスマホやタブレットに本をまるごと1冊ダウンロードする必要があります。
ところがストリーミングをサポートしているアプリならオンラインストレージに保管した膨大な自炊本をまるで本棚の本のようにパラパラと内容を確認することができるのです。
iPad/iPhoneトの容量を気にする必要もありません。
ComicShareは自炊本の余白をギリギリまでカットすることもできます。
自炊本の「余白」をカットできれば画面の小さなiPhoneでもかなり読みやすくなります。
自炊本の余白をカットできるアプリはいくつかあるのですが、十分な余白カットができないアプリもあります。
ComicShareなら余白カットのための設定項目も多く、適切に設定することでギリギリまで余白をカットできます。
その分、自炊本が大きく表示されるため小さなiPhoneの画面でも読みやすくなります。
Android
Perfect ViewerにPerfect Viewerファイルソースプラグインを組み合わせればオンラインストレージから自炊本をダウンロードできます
Windowsタブレット
Windowsタブレットに最適化された電子書籍ビューワーとしてKinoppyがあります。
Kinoppyとは「紀伊國屋書店ウェブストア」からダウンロードできる無料アプリです。
自炊本をDropboxにアップロードすることで、ウェブストアで購入した本と自炊本を同じKinoppyアプリで管理し、複数の端末でしおり等を同期することができます。
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