
巨大画面でマンガを見開きで読みたい、そんな願いはVRヘッドセットを使うと実現できます。
なぜVRヘッドセット?
電子書籍のメリットの1つは紙の本と異なるサイズで読めることです。
そのメリットは大抵の場合、紙の本は大きくて嵩張るけど電子書籍なら小さくて持ち運びやすいスマホなどでも読めて便利ですよ、というように紙の本より小さいサイズで説明されているようです。
しかし、もちろん紙の本より大きなサイズでも読めるわけです。
ただ、タブレットの画面サイズ程度では(見開きの)紙の本のサイズを大きく超えられません。
デスクトップパソコンに大画面モニターを接続してもいいのですが、場所を取ります。
そこでMeta Quest 2のようなVRヘッドセットというわけです。
VRヘッドセットならパソコンの大画面モニターなど遥かに超えるサイズで電子書籍を読めますし、場所も取りません。
目への影響は?
VRヘッドセットで読書と聞くと目への影響を心配する人もいるかと思います。
VRヘッドセットでは目の前にディスプレイがあるからブルーライトで目が疲れるのではないか……と最初は思いました。
しかし、実際にやってみるとなぜか目は疲れません。
顔にヘッドセットのパットが長時間あたり続けることによる違和感とか、ヘッドセットの重みで首が疲れるとか、髪型の乱れが気になるというのはあります。
しかし、なぜか通常の読書で感じる目の疲れを感じません。
それがどういう理由なのかわかりませんし、自分だけなのかももちろんわかりません。
たくさんの人がVRヘッドセットで読書するようになれば目への影響が研究されるかもしれませんが……
VRゲームで遊ばないGOOVISのほうが……
実は大画面で電子書籍を読むだけならMeta Quest 2よりGOOVISのほうがおすすめです。
GOOVISとはHDMIで映像入力するHMD(ヘッドマウントディスプレイ)です(VRゴーグルではありません)。
ワイヤレスのMeta Quest 2と違ってケーブルの煩わしはあるのですが、画像品質ではMeta Quest 2に圧勝です。
Pigasusで自炊本を読む
Meta Quest 2の公式アプリストアに電子書籍アプリは見当たりません。
しかし、「Pigasus(ピガサス)」というアプリがあります。

概要に「ユニバーサルメディアプレイヤー」と書かれている通り、Pigasusは動画や画像を見るためのアプリなのですが、CBZ形式(自炊本によく使われるファイル形式)の電子書籍を読むための「コミックビューワ」機能もあります。
Meta Quest 2本体内のCBZファイルはもちろん、Samba共有(WindowsやLinuxの共有フォルダ)のCBZファイルでも読み出せます。
自炊本をDropboxで管理しているなら、Meta Quest 2の標準ブラウザでDropboxにアクセスし、自炊本をMeta Quest 2本体にダウンロード(/Download フォルダにダウンロードされます)し、Pigasusで読めます。
コミックビューワの設定項目は以下だけです。

「ダブルページ」は見開き表示、「右から左へ」はマンガのような右綴じ本、「2ページ」は2ページずつのページ送りのことです。
つまり、わずかこれだけの設定項目はコミックビューワ機能が「マンガを見開きで読むため」の機能であることを物語っています。
「2ページ」の設定ではMeta Quest 2コントローラーのサムスティックを右に倒すと2ページ進み、左に倒すと2ページ戻ります。

見開きページがずれて1ページだけ送りたい場合はメディア選択画面に戻り、表示したいページを選択すると調整できます。
Pigasusのコミックビューワ機能は「ユニバーサルメディアプレイヤー」のおまけ程度のものです。
本棚機能も前回読んだ場所から読み始める機能もありません。
Perfect Viewerなどには遠く及びませんが、マンガを見開きで読める数少ないVRアプリです。
ちなみにPico G2 4KならPerfect Viewerが使えます。
wolvicで電子書籍ストア本を読む
wolvicとはMeta Quest 2のブラウザアプリです。
Meta Quest 2のストアからインストールできますが、この記事の更新時点ではApp Labo(試験段階または開発中)となっています。

wolvicを使うとブラウザ対応の電子書籍ストア本をMeta Quest 2で読めます。
例えば、Kindleストアの固定レイアウトの和書(マンガ、雑誌、技術書など)と洋書はwolvicでKindle Cloud Readerにアクセスすることで読めます。
残念ながらKindle Cloud Readerではリフロー型(小説など文字主体の本)の和書は読めません。
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