生命保険の解約

以前いた会社では、昼休みになると保険のおばちゃんが会社にやってきました。

生命保険は若いうちに入ったほうがいいと執拗にすすめられました。

そして言われるまま若いうちに生命保険に入り、保険料を払い続けてきました。

その生命保険をやっと解約したのです。

 

払い続けた保険料の総額

加入したのは有名な保険会社の保険で以下のような内容を組み合わせたとても複雑なものでした。

  • 普通死亡
  • 生活保障
  • 終身保険
  • 定期保険
  • 3大疾病
  • 疾病障害
  • 災害割増
  • 特定損傷
  • 災害入院
  • 入院医療
  • 成人病入院医療
  • 通院

この内容に何の疑問を持たない(というより疑問を持つ気がなかった)まま長期間保険料を払い続けてしまいました。

後述の保険見直し時に払込保険料の総額を計算したところ何とその総額は約320万円にも達していました。

保険金を請求したことは一度もなく、その320万円に対するリターンは雀の涙の解約払戻金だけでした・・・。

車一台買える金額が保険のために消えたことになります。

「安心のための必要経費」としてはあまりにも高すぎました。

保険を見直さなかった理由

この保険は前述の通り会社員プログラマー時代に契約したのですが、その頃は保険を見直すなど考えもしませんでした。

顔見知りの保険のおばちゃんから契約した

「保険契約なんてビジネス、顔見知りだから何だよ?」

と今では即答できますが、昔はそんな当たり前の考えができなかったんだなあ・・・と。

同僚も同じような保険を契約していた

金額の大小はありますが、同じような複雑な保険を契約している同僚はたくさんしました。

だから保険のおばちゃんもわざわざ会社まで営業に来たんでしょう。

今はセキュリティが厳しくなったと聞いているので、もう会社では営業していないかもしれません。

もちろん、こちらも「なぜ同僚が関係あるのか?」と今なら思いますが、昔はこんな思考だったんでしょうね……

税金も社会保険も自分で計算してなかった

会社員なら税金の申告も社会保険の支払いも会社が全部やってくれます。

一応、給与明細に税金や社会保険の金額は記載があるものの、その明細を紐解こうという気すらおきませんでした。

そのため、雀の涙の生命保険料控除をありがたがり、まるで生命保険で得でもしたような気になっていました。

保険を見直した結果

結局、保険を見直せたのは契約から長い年月が経ってからです。

ネットで見つけた保険見直し系のサービスのおかげでした。

複数の見直し系のサービスで話を聞き、それなりの時間はかかりましたが、いくつかの大きな「気づき」がありました。

  • 医療保険はいらない
  • 個人年金保険はいらない
  • 終身保険は合理的

※この記事の内容はあくまで保険の素人である私の個人的な見解ですので鵜呑みにしないようにお願いします。

医療保険はいらない

大きな病気になったら高い医療費がかかる、だから医療保険に入っておけば安心。

漠然とそう考えて生命保険に医療保険のようなオプションをつけていたのですが、無駄でした。

  • 高額医療費制度の存在
  • 数十万円の保障額のために掛け金を払うのか?

高額療養費制度の存在

高額療養費制度とは月の医療費の負担額が「限度額」を超えた場合に、越えた分が後から払い戻される制度です。

限度額は以下のように計算します(一般的な人に当てはまりそうな基準所得額のみ抜粋しています。実際はもっと細かいです)。

基準所得額 月の限度額
過去1年の3回目まで 過去1年の4回目以降
901万円超 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円
600万円超〜901万円以下 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円
210万円超〜600万円以下 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円

上の表はちょっとややこしいですが、例えば基準所得額600万円超〜901万円以下の限度額は基本的に167,400円です。

月に167,400円を超える医療費を支払ったら国民健康保険の窓口に申請することで越えた分が支給されるということです。

もし、総医療費が558,000円を超えていればその1%に167,400円に足した金額が限度額となります(表のややこしい部分その1)。

総医療費が100万円だとしても限度額は171,820円とわずかに増えるだけなのであまり気にすることはないかと。

167,400円 + (総医療費1,000,000円 -558,000円) × 1% = 限度額 171,820円

さらに過去1年間で高額療養費の支給が4回以上になると限度額は93,000円です(表のややこしい部分その2)。

こちらも4回以上になると限度額が増えるなら問題ですが(これがもし民間の保険なら増えるんでしょうが)、逆に減るのですから気にすることはないかと。

この制度はまさに医療保険みたいなものです。

数十万円の保障額のために掛け金を払うのか?

保険の基本はもしもの時の貯金では対応できない出費に備えるためのものです(・・・と保険見直しサービスの人に教わりました)。

でも医療保険の保障額なんて数十万円です。

しかも、入院日数は昔に比べて短くなっており(・・・と保険見直しサービスの人に教わりました)、もらえる保険金も少なくなりがちです。

そんな保険に掛け金を払うの???

というわけです(昔は払っていたわけですが)。

個人年金保険はいらない

昔は年末調整の時に個人年金保険の控除額の欄が埋まらず、損をした気になっていました。

いずれ個人年金保険に加入して控除額の欄を埋めよう、と考えてはいたのですが面倒なので何もしませんでした。

しかし、今回の保険見直しで個人年金保険の控除額を教えてもらったところ、加入しなかったのは正解でした。

個人年金保険の控除額など最大でも所得税で4万円、住民税で2万8千円にしかなりません。

しかも雀の涙の利息しかつきません。

個人事業主が年金を積み立てるなら小規模企業共済と個人型確定拠出年金です。

個人型確定拠出年金

確定拠出年金とは加入者自身が資産を運用する年金です。

個人事業主だけでなく会社員も加入することができます。

掛金は全額所得控除になるため、節税額の計算は単純です。

掛金 ✕ 税率 = 節税額

終身保険は合理的

生命保険には大きく定期保険と終身保険の2種類があります。

定期保険 終身保険
一言で言うと 掛け捨て 貯蓄型
保険料 安い 高い
保険期間 一定期間 解約するまで
保険料払込期間 (基本的に)
保険期間と同じ
一定期間
or
終身
解約辺戻金 (基本的に)ない あり

前述の通り、保険の基本はもしもの時の貯金では対応できない出費に備えるためのものです。

つまり、掛け捨ての定期保険が基本であり、貯蓄型の終身保険など邪道です(・・・と思っていました)。

しかしですよ、生命保険の保険料はたとえ定期保険でも安くはありません。

上の表では「安い」となってますが、あくまで終身保険と比べて安いという話です。

昔、入っていた保険は定期保険ですが、終身保険もついてくるという(保険を見直す前の自分にとって)わけのわからないものでした。

その終身保険部分が雀の涙の解約払戻金となりました。

車一台分のお金は定期保険に消えたのです。

貯金さえあれば生命保険もいらないが・・・

前述の通り医療保険はいらない、という結論を出しました。

生命保険も同じで十分な貯金があればいらない!

・・・と言いたいところですが、生命保険の保障額は医療保険とは桁が違います。

高い保険料を払えるなら終身保険は合理的

そこで(自分の中で)脚光を浴びたのが邪道のはずだった終身保険です。

終身保険は基本的に自分で支払った保険料が保険金として戻って来ます。

貯金で生命保険をまかなうようなものですが、その貯金が貯まるまでの期間に死亡するか高度障害となった場合に、足りない分の貯金を保障するのが終身保険というわけです。

高い保険料を払えるなら終身保険は合理的、・・・とやっと理解できました。

しかしですね、やはり終身保険の保険料はバカ高いんですよ。

低解約返戻金型終身保険

そこで提案されたのが「低解約返戻金型終身保険」なる保険です。

これは終身保険ですが保険料払込期間中に解約した場合、返戻金がかなり減らされます。

その代わり、通常の終身保険より保険料が安いというものです。

保険見直しの結論としては低解約返戻金型終身保険を契約しました。

会社員だった頃に入った複雑な保険と比べてとてもシンプル、かつ無駄のないものになりました。

まあ一番無駄がないのは「貯金あるんで生命保険はいらない」という状態ですが、さすがにそれは難しいので・・・。

あくまで個人的な見解です

繰り返しになりますが、この記事の内容はあくまで個人的な見解ですので鵜呑みにしないようにお願いします。

医療保険が必要な人も、個人年金保険が必要な人も、定期保険が必要な人もいるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました