
液晶ディスプレイを見ていると目が疲れるため、ディスプレイとして電子ペーパー(e-ink)を搭載した端末をいろいろと使ってきました。
電子ペーパー端末のカテゴリ
現在の電子ペーパー端末は大きく次のカテゴリにわかれます。
- Kindle電子書籍リーダー
- Kobo電子書籍リーダー
- デジタルノート
- E-Ink Android
- セカンドモニター
そして、できることは端末というよりこのカテゴリによって決まってきます。
Kindle電子書籍リーダー
KindleはKindleストア専用の電子ペーパー端末です。
AmazonのKindleストアの本を手軽に電子ペーパーで読みたいなら、やはりAmazonのKindle端末の右に出るものはありません。
端末価格も安くコストパフォーマンスが高いです。
自炊本は変換が必要
PDFは一応サポートしていることになってはいますが、自炊PDFのように全てが画像で構成されたPDFをまともに表示することはできません。
PDFを読むには変換が必要です。
CBZもKindleではサポートされていないため、Kindleで読むためには変換が必要になります。
CBZとは紙の本をスキャンした画像ファイルをZIP圧縮して拡張子をCBZに変更したファイルです。
いわゆる電子書籍の自炊によく使われています。
Webページは変換が必要
Kindle端末にはWebブラウザが内蔵されているものの「体験版」となっており、まったく使いものになりません。
ただ、パソコンのChromeブラウザで見ているWebページをKindle向けに整形してインターネット経由でKindleに転送して読むことができます。
Kobo電子書籍リーダー
Kobo電子書籍リーダーは楽天Koboストア専用の電子ペーパー端末です。
楽天Koboストアでは頻繁にキャンペーンが実施され、クーポンがバラまかれるため安く買えることが多いです。
Koboストアでの購入では楽天ポイントを貯めたり使ったりできるメリットもあります。
自炊本を簡単に読める
特定ストアの専用端末という点ではKindle端末と同じですが、Kobo端末はPDFもCBZもそのまま読むことができます。
そのため、自炊本を読むならKindle端末よりKobo端末のほうが有利です。
さらにKobo FormaであればDropboxに保存した自炊本を読むこともできます。
また、KOReaderをインストールすることKobo Forma以外でもDropboxの自炊本を読むことができます。
デジタルノート
デジタルノートとは紙のノートにようにペンで手書きできるタブレットです。
もし、ペンさえ使えれば液晶画面でもいいのであれば第2世代Apple Pencilが使えるiPad Proが最強のデジタルノートかもしれません。
しかし、iPadの液晶画面はバックライトによって発光する点が紙のノートと大きく異なります。
液晶の光る画面を見るのが嫌で紙のノートを使い続けている人も多いのではないでしょうか。
発光しない電子ペーパーのデジタルノートなら紙のノートにより近い感覚で使えます。
また、デジタルノートとはいってもPDFファイルを読むために使うこともできます。
電子書籍もPDF形式なら(またはPDFに変換できれば)読めます。
フリーノ
フリーノはキングジムのデジタルノートです。
文房具メーカーの製品だけあって、デジタルっぽさをほとんど感じさせないデザインと質感です。
画面はA6位の大きさのため、ノートというよりはメモ帳といった感じです。
別売りの専用カバーにはクラフトペーパーが使用され、まさしく文房具といった感じです。
ただ、サイズはB6のみのためノートというよりはメモ帳としての使い方になると思います。
PDFの閲覧・書き込み
パソコンからPDFファイルを転送してフリーノで閲覧したり、ペンでPDFにファイルに書き込んだりできます。
PDFファイルの転送は以下の方法が使えます。
- Dropbox
- microSDカード
- USBケーブル
ノートの下地
以下のようなノートの下地(フォーマット)を使えます。
- 無地
- 罫線
- 方眼
- ドット方眼
- マージン罫
- TO DO リスト
- マトリクス
- タイトル
- イヤリー
- マンスリー
- ウィークリー
- デイリー
紙のノートでは当然、予め印刷されている下地しか使えませんが、フリーノなら下地を自作することもできます。
作成したノートはパソコンにPDFファイルかPNGファイルとして送信できるのですが、その際これらの下地を含めることも含めないこともできます。
QUADERNO Gen.2

QUADERNO(クアデルノ)は富士通のデジタルノートです。
2021年6月にGen.2が発売されました。
PDFに特化した仕様でCBZにもWebにも電子書籍ストアにも対応していません。
その代わり紙のノートと同様のサイズと重さを実現しています。
PDFにペンで書き込みもできることから紙のノートを完全に置き換えることができます。
万年筆や筆ペンも使える
紙に書くペンは何を使っているでしょうか?
紙に万年筆や筆ペンで書いているからデジタルノートなんて話にならない、という人もいるかもしれません。
しかし、QUADERNOでは以下の5種類のペンが使えます。
- 万年筆
- 筆ペン
- ボールペン
- マーカー
- ハイライト
さらに万年筆と筆ペンは筆圧によって線の太さが変わるため、「はね」や「はらい」もきれいに書けます。

紙の書類を直接取り込める
以下のスキャナで紙の書類をパソコンなどを使わずにQUADERNOに直接取り込むことができます。
QUADERNOとスキャナは無線で接続されるため、ケーブル接続すら不要です。
無線LANアクセスポイント無しでQUADERNOに無線接続できるダイレクト接続にも対応しています(iX500は未対応)。
スマホのPDFを同期
スマホ(iPhone/Android)とのPDFファイル同期にも対応しています。
例えば、スマホのメールで添付のPDFファイルを選択し、「共有」メニューからQUADERNOを選ぶとPDFがQUADERNOに転送されます。
スマホの画面で見るのは厳しいA4のPDFなども簡単に目に優しい電子ペーパーで見れるわけです。
また、QUADERNOのペンでPDFに注釈等を書き込み、そのPDFをスマホに転送するのも簡単です。
デジタルペーパー DPT-CP1 / DPT-RP1
「デジタルペーパー」とはソニーのデジタルノートです。
A5サイズ(10.3インチ)のDPT-CP1とA4サイズ(13.3インチ)のDPT-RP1があります。
DPT-CP1 | DPT-RP1 | |
---|---|---|
サイズ | A5 | A4 |
画面サイズ | 10.3インチ | 13.3インチ |
解像度 | 1,404×1,872 | 1,650×2,200 |
PPI | 227ppi | 207ppi |
ストレージ | 16GB(11GB使用可能) | |
PDF転送 | 専用アプリ (Wi-Fi/Bluetooth/USB) | |
Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac MIMO | |
重量 | 240g | 349g |
厚さ | 5.9mm |
ソニーはReader Storeという電子書籍ストアを運営していますが、ソニーのデジタルペーパーはReader Storeも含め電子書籍ストアには未対応です。
PDF形式の自炊本やPDF形式で販売されている電子書籍であればもちろん読むことができます。
CBZやWebにも対応していません。
ペンで書き込みができる
紙をPDF化するとたしかにかさばらくて便利なのですが、本物の紙のように気軽に書き込みができないという問題がありました。
デジタルペーパーであれば付属のペンでPDFに簡単に書き込むことができます。
書き込みをしたPDFはスマホやパソコンに転送して活用することもができます。
紙のノートのように使える
A5またはA4の紙のノートをデジタルペーパーで完全に置き換えることができます。
紙なら何十冊、何百冊のノートでもデジタルペーパー1つで持ちあることができます。
- A5サイズ(DPT-CP1)、またはA4サイズ(DPT-RP1)
- 5.9mmの薄さ
- 紙のノートと同等の軽さ
- バッテリーを気にせず、約1ヶ月(DPT-CP1)、または約3週間(DPT-RP1)使える
- 長時間読んでも目が疲れにくい
- ペンで書き込みできる
PDFファイルの転送
パソコンやスマホとデジタルペーパーとの間のPDFファイルの転送は以下のいずかの接続で行います。
- Wi-Fi
- Bluetooth
- USBケーブル
転送は専用アプリで行うのですが、スマホ(iOS/Android)とパソコン(Windows/Mac)でできることに違いがあります。
スマホ | パソコン | |
---|---|---|
対応OS | iOS11 Android 8 Android 7 Android 6 | Windows 10 Windows 8.1 Windows 7 macOS 10.13 macOS 10.12 macOS 10.11 |
デジタルペーパーへの印刷 | ☓ | ○ |
PDF転送(双方向) | ○ |
E-Ink Android
ディスプレイにE-Ink(電子ペーパー)を使ったAndroidタブレットです。
以下の機能を併せ持ちます。
- 電子書籍リーダー
- デジタルノート
- Androidタブレット
電子書籍リーダーとデジタルノートは電子ペーパーに最適化された専用アプリがプリインストールされています。
Google PlayからKindleアプリやKoboアプリをインストールすることもできますが、それらは液晶画面を前提に設計されているため電子ペーパーでは使いづらい機能があります。
セカンドモニター
セカンドモニターとは端末に接続する2台目のモニターのことです。
モノクロで描画速度が遅い電子ペーパーをメインのモニターにするのは無理があるため、電子ペーパーをセカンドモニターとして使います。
Paperlike
PaperlikeはPCと接続する電子ペーパーディスプレイです。
ThinkBook Plus
ThinkBook Plusは天板に10.8インチの電子ペーパーを搭載した13.3インチのノートパソコンです。
液晶画面を閉じた状態でも天板の電子ペーパーを以下の用途に使えます。
- 電子書籍リーダー
- PDFへの注釈書き込み
- OneNoteへの書き込み
- スケジュールや天気の表示
- 任意の画像表示
Yoga Book C930
Yoga Book C930は電子ペーパーと液晶の2つの画面を搭載したレノボのノートパソコンです。
電子ペーパーをソフトウエアキーボードとして利用し、物理キーボードを排除することで775gという軽さと9.9mmというダントツの薄さを実現しています。
また、電子ペーパーはソフトキーボード以外にも以下の用途に使えます。
- クローンモード(液晶画面と同じ内容を表示する)
- PDFリーダー
- コミック(CBZ/CBR)ビューワー
- テキスト/ePub/mobiリーダー
- タッチパッド
- ペン入力
クローンモードであればパソコンでできることは全てできます。
InkCase
InkCaseはスマホカバーに電子ペーパーを搭載した製品です。
YotaPhoneのような前面が液晶、背面が電子ペーパーというスマホをスマホカバーで実現する感じです。
それだけ聞くと普通のスマホがYotaPhoneのようになる素晴らしい製品のように思えるかもしれませんが、液晶画面と同じ内容を電子ペーパーで表示できるわけではなく、InkCaseでできることはかなり限られています。
コメント
Yoga Book C930は2019/11のE-inkアップデートで画面をクローンモードが追加され、液晶画面をE-ink上にクローン出来るようになりました。
液晶画面を消灯してE-ink上だけにWindows画面を表示することも可能です。
Windows電子ペーパー端末として柔軟に使えるようになりました。
pdf (技術書)を読むのにpaperwhiteを使っていて、動作速度が遅いのでoasisを検討しているのですが、動作速度という点だとどれが良かったですか?