
キーボードを見ないで打つブラインドタッチができるようになると、次はもっと速くタイピングしたくなります。
速くタイピングするには「コツ」があります。
標準運指
標準運指とはホームポジションを基本にしながら各指毎に決まったキーを打つ方法です。
ホームポジションとはまず左手人差指をFに、右手人差指をJに置きます(上図の赤丸)。
キーボードを見なくても左右の人差指を置けるようにFとJのキートップ小さな突起があります。
その状態で左手中指・薬指・小指をD・S・A、右手中指・薬指・小指をK・L・;に置いたのがホームポジションです。
そのホームポジションの基本にして各指が上下のキーを打ちます。
例えば左手中指では3、E、D、Cを打ちます。
ブラインドタッチの習得に最適
各キーを打つ指をガッチリ固定する標準運指はキーボードを見ないでタイピングするブラインドタッチをマスターする一番の早道です。
打つ指を状況によって変えていたら、いつまでたってもキーの位置を覚えられないからです。
しかし、ブラインドタッチをマスターすると標準運指はタイピング速度の足かせとなります。
同じキーでも状況によって打つ指を変えたほうが速くタイピングできるためです。
ホームポジションは人差指のみ
ブラインドタッチをマスターした人が速いタイピングをするために標準運指を崩す必要があります。
とはいえ、キーボードを見ないで打つためにはキートップに突起のあるFとJの位置を指で把握する必要があります。
そのため、左右の人差指だけをFとJに置くのが速いタイピングのためのホームポジションです。

標準運指と違い、中指、薬指、小指はどこにあっても構いません。
各キーを打つ指も固定しません。状況によって打ちやすい指で打ちます。
「1」、「0」、「-」を薬指で
キーボード最上段の1、0、–は標準運指では小指ですが小指は動かしづらいため、薬指のほうが速く楽に打てます。
特に長音記号の「-」は日本語で頻出するため効果大です。
標準運指でも薬指で打っている2、9も合わせると最上段の薬指で打つキーは下図の水色のキーになります。

訓令式ローマ字で
ローマ字には大きくヘボン式と訓令式があります。
道路標識などでよく見かけるローマ字がヘボン式で、学校で習うのが訓令式です。
例えば「ち」はヘボン式ではCHIですが、訓令式ではTIです。
2打鍵の訓令式のほうが3打鍵のヘボン式より速くタイピングできるのは明白です。
「ん」を1打鍵で
「ん」の打ち方は基本的にNNの2打鍵ですが、「ん」の次のキーが以下のでなければNの1打鍵で打てます。
- 母音(A・I・U・E・O)
- な行(N)
- や行(Y)
それ以外の場合は「ん」はすべてNの1打鍵で打ちます。
ロールオーバーさせる
ロールオーバーとはキーを押して離しきらない状態で別のキーを押すことです。
キーを離しきらないうちに別のキーを押しているのですから当然、高速タイピングになリます。
ブラインドタッチができていれば特に意識しなくても自然にロールオーバーになっている場合もありますが、「キーを離さなくても次のキーを押せる」と意識することで頻繁にロールオーバーさせられるようになります。
同指連打ではロールオーバーしない
ロールオーバーを意識するようになると絶対にロールオーバーしない運指に気づくと思います。
同じ指で連打する「同指連打」の運指です。
キーを離しきらないうちに同じ指で別のキーが押せるわけがなく、同指連打ではロールオーバーは発生しません。
アルペジオ打鍵はロールオーバーしやすい
アルペジオ打鍵とは片手の異なる指で片方向(例えば人差指、中指、薬指)に打つことです。
片方向でない折り返し打鍵(例えば人差指、薬指、中指)はアルペジオ打鍵ではありません。
このアルペジオ打鍵は「ロールオーバー打ち」とも呼ばれ、その名の通りロールオーバーが普通に起こリます。
アルペジオ打鍵になるように標準運指を崩すのがタイピングのコツの1つです。
同指連打を避ける
前述のように同指連打ではロールオーバーは起こりません。
しかし、標準運指では同指連打なのに日本語で頻出するパターンがあります。
その同指連打の頻出パターンの運指を変更(最適化)します。
頻出 パターン | 標準運指の 同指連打 | 最適化 |
---|---|---|
ぬ | 人差指N、U | 人差指N、中指U |
む | 人差指M、U | 人差指M、中指U |
NY | 右人差指N、Y | 右人差指N、 左人差指Y |
んじ | 人差指N、J、 中指I | 人差指N、 中指J、薬指I |
ゆ | 人差指Y、U | 人差指Y、中指U |
で | 人差指D、E | 人差指D、中指E |
ふ | 人差指H、U | 人差指H、中指U |
き | 中指K、I | 人差指K、中指I |
HY | 右人差指H、Y | 右人差指でH、 左人差指Y |
「ぬ」
「ぬ」は標準運指では距離の離れたNからUへ大きく動かす必要があります。
中指でUを打つことで同指連打を回避します。
「む」
「む」も標準運指では距離の離れたMとUの同指連打です。
「ぬ」と同様に中指でUを打つことで同指連打を回避します。
「NY」
「にゃ」、「にぃ」、「にゅ」、「にぇ」、「にょ」の「NY」は標準運指では距離の離れたNからYを右人指指で同指連打です。
左人指指でYを打つことで同指連打を回避します。

「んじ」
「んじ」は「三時」や「感じ」などに含まれるパターンです。
標準運指だと人差指でNJが同指連打し、中指でIです。
これを人指N、中指J、薬指Iにします。
出現頻度はそれほど高くないのですが、同指連打回避と同時に3キーのアルペジオとなるため、効果は高いです。

「ゆ」
「で」
人差指でD、中指でE。
「ふ」
「ふ」の打ち方はHUとFUの2通りあります。
標準運指のHUは人差指による同指連打のため、最も遅いです。
左人差指でF、右人指指でUなら同指連打を避けられます。
さらに下図のように右人差指でH、中指でUとするとアルペジオ打鍵となります。
「き」
人差指でK、中指でI。

「HY」
「ひゃ」、「ひぃ」、「ひゅ」、「ひぇ」、「ひょ」の「HY」は標準運指では右人差指でH、Yの同指連打です。
左手人指指でYを打つことで同指連打を回避します。

アルペジオ打鍵にする
標準運指でも同指連打ほど遅くはないですが、アルペジオ打鍵にすると速く打てるパターンです。
「OU」 / 「OI」
日本語で頻出する音に二重母音「OU」があります。
「方法(HOUHOU)」や「量(RYOU)」などです。
この「OU」だけなら右薬指O、右人指指Uでアルベシオ打鍵できます。「OU」ほど出現頻度は高くないですが、二重母音の「OI」もそれだけなら右薬指O、右中指Iでアルベシオ打鍵です。

しかし、それらの子音としてよく出現するYやHを右人差指で打鍵してしまってはOで折返すことになりアルベシオ打鍵になりません。
そこでに直前のYや前のHを左人差指で打つことで、OUがアルペジオになるようにします。
「ぶ」
「ぶ」は標準運指では左人差指でB、右人差指でUの左右交互打鍵です。
右人差指でB、右手中指でUとするとアルペジオ打鍵にできます。

QWERTY配列を変更するアプローチもある
標準運指の問題についてはこの記事のような運指を変える方法の他にキー配列を変更するアプローチもあります。
標準であるQWERTY以外のキー配列としては親指シフトやAZIKなどが有名です。
コメント