
ChromebookをWindows化することはできるのでしょうか。
Windowsを使う5つの方法
ChromebookでWindowsを使う方法は5つあります。
- Parallels Desktop for Chrome OS
- CrossOver Chrome OS
- Windows 365
- Windows Server VPS
- Chromeリモートデスクトップ
Parallels Desktop for Chrome OS | CrossOver Chrome OS | Windows 365 | Windows Server VPS | Chrome リモート デスクトップ | ||
---|---|---|---|---|---|---|
利用制限 | 企業・教育機関 | 無し | 法人 | 無し | ||
料金 | 有料 | 無料 | ||||
システム 要件 | デバイス | Chrome Enterprise | – | |||
CPU | Core i3(第11世代以降) Core i5 / i7 Ryzen 3(5000以降) Ryzen 5 / 7 | Intel CPU | 無し | |||
RAM | 8GB | 2GB | ||||
ストレージ | 128GB以上 | 550MB | ||||
Windows PC | 不要 | 必要 | ||||
実現方式 | Windows 仮想環境 | Windows 互換レイヤー | 画面転送 | |||
アプリ互換性 | ◯ | △ | ◯ |
Parallels Desktop for Chrome OS
Parallels Desktop for Chrome OSとはChrome EnterpriseデバイスでWindowsを動かす仮想化ソフトです。
Chrome Enterpriseデバイスとは企業や教育機関向けのChrome OSデバイスです。
そのため、Parallels Desktop for Chrome OSを利用できるのは企業や教育機関となります。
Parallels Desktop for Chrome OSはWindowsを実行するための仮想環境を提供します。
通常、Chromebook Enterprise環境の管理者がインストールしたWindows環境が組織で管理されているChromebookにダウンロードされます。
高性能なChrome Enterpriseデバイスが必要
Windowsをインストールして実行できるのは高性能なChrome Enterpriseデバイスです。
Windows PCより安く購入できる(ものもある)、というのがChromebookのメリットの1つですが、Parallels Desktop for Chrome OSを使うのであればそのメリットは得られません。
しかも上の表のシステム要件は1つまたは2つの単純なアプリケーションを動作させる最小構成です。
アクティブなマルチタスクの利用およびリソース消費が大きいアプリケーション向けのシステム要件は以下とされています。
CPU | Core i3(第11世代以降)/ i5 / i7 + ファン冷却 Ryzen 3(5000以降) / 5 / 7 + ファン冷却 |
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RAM | 16GB以上 |
ストレージ | 256GB以上 |
アプリ互換性は問題なし
本物のWindowsの上でアプリを動かすのですから互換性は問題ありません。
フル機能のマイクロソフトOfficeも全く問題なく使えます。
ZoomのようなWindowsのWeb会議アプリも使えます(Chrome OSのカメラ、マイク、スピーカーがWindowsに接続されます)。
CrossOver Chrome OS
CrossOver Chrome OSとはChromebookでWindowsアプリに互換レイヤーを提供するソフトです。
システム要件は以下のようになっています。
- インテルCPU搭載の2019年以降のChromebook
- 2GB以上のRAM
- 550MB以上の空領域
以下のようなインテルCPU搭載のChromebookであればOKです。
アプリの互換性は要確認
本物のWindowsを使わずCrossOverがWindowsの互換レイヤーを提供する、という仕組みのため、すべてのWindowsアプリが動作するわけではありません。
CrossOvereで動作するWindowsアプリはRun thousands of Windows programs on Mac, Linux & ChromeOSで確認できます。
ただ、現行のマイクロソフトOfficeも使えず、これではかなり厳しいと思う人が多いのではないでしょうか。
Windows 365
Windows 365はクラウド上に仮想化されたWindows PCを提供するサービスです。
Chromebookからはブラウザでクラウド上のWindowsに接続します。
つまり、Chromebook上でWindowsを動かすわけではなく、クラウド上のWindowsを遠隔操作するわけです。
この方法には3つの大きなメリットがあります。
- 高性能なChromebookが不要。
- 会社のPCでも自宅のChromebookでもまったく同じWindows環境が使える。
- 24時間稼働(会社での作業の続きをそのまま自宅でできる)。
ただ、Windows 365は法人向けのサービスです。
Windows Server VPS
Windows Server VPSとはクラウド上にWindowsの仮想デスクトップを提供するサービスです。
マイクロソフトが公式クライアントアプリを提供しており、ChromebookではAndroidの「Remote Desktop」アプリで接続して操作します。
Windows 365と同様、Chromebook上でWindowsを動かすわけではなく、クラウド上のWindowsを遠隔操作します。
企業や教育機関でない個人がChromebookでWindowsアプリを使う手段としてはこのWindows Server VPSがおすすめです。
Chromeリモートデスクトップ
ChromeリモートデスクトップとはGoogleが提供しているChromeブラウザからネットワーク上のWindows PC、Mac、Linuxを操作するためのソフトです。
前述のマイクロソフトが提供しているRemote Desktopとは別物です。
ただし、ChromeリモートデスクトップでWindowsを使うためにはWindows PCが必要ですし、スリープ(節電機能)もOFFにして常時稼働させておく必要があリます。
しかし、サーバーでもないWindows PCを常時稼働させるのは電気代、熱、故障リスク、火災リスクなどが問題になるため、ChromeリモートデスクトップよりWindows Server VPSのほうが安心ではあります。
また、そもそもWindows PCがあるなら最初からそれを使えばいいのではないでしょうか……
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