
Windowsを動かす方法
クロームブック(Chromebook)でWindowsを動かす方法はいくつかあります。
- Parallels Desktop for ChromeOS
- ChromeOS Virtual App Delivery
- CrossOver ChromeOS
- Windows 365
- Windows Server VPS
- Chromeリモートデスクトップ
Parallels Desktop for ChromeOS | ChromeOS Virtual App Delivery | CrossOver ChromeOS | Windows 365 | Windows Server VPS | Chrome リモート デスクトップ | |
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対象 | 企業 教育機関 | 企業 | – | 法人 | – | |
料金 | 有料 | 無料 | ||||
デバイス | Chrome Enterprise | – | ||||
Windows PC | 不要 | 必要 | ||||
実現方式 | Windows 仮想環境 | ストリーミング | Windows 互換レイヤー | 描画命令転送 | ストリーミング | |
アプリ互換性 | ◯ | △ | ◯ |
Parallels Desktop for ChromeOS
Parallels Desktop for ChromeOSとはChrome EnterpriseデバイスでWindowsを動かす仮想化ソフトです。
Chrome Enterpriseデバイスとは企業や教育機関向けのChromeOSデバイスです。
そのため、Parallels Desktop for ChromeOSを利用できるのは企業や教育機関となります。
Parallels Desktop for ChromeOSはWindowsを実行するための仮想環境を提供します。
通常、Chromebook Enterprise環境の管理者がインストールしたWindows環境が組織で管理されているChromebookにダウンロードされます。
高性能なChrome Enterpriseデバイスが必要
Windowsをインストールして実行できるのは高性能なChrome Enterpriseデバイスです。
Windows PCより安く購入できる(ものもある)、というのがChromebookのメリットの1つですが、Parallels Desktop for ChromeOSを使うのであればそのメリットは得られません。
しかも上の表のシステム要件は1つまたは2つの単純なアプリケーションを動作させる最小構成です。
アクティブなマルチタスクの利用およびリソース消費が大きいアプリケーション向けのシステム要件は以下とされています。
CPU | Core i3(第11世代以降)/ i5 / i7 + ファン冷却 Ryzen 3(5000以降) / 5 / 7 + ファン冷却 |
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RAM | 16GB以上 |
ストレージ | 256GB以上 |
アプリ互換性は問題なし
本物のWindowsの上でアプリを動かすのですから互換性は問題ありません。
フル機能のマイクロソフトOfficeも全く問題なく使えます。
ZoomのようなWindowsのWeb会議アプリも使えます(ChromeOSのカメラ、マイク、スピーカーがWindowsに接続されます)。
ChromeOS Virtual App Delivery
ChromeOS Virtual App DeliveryとはSaaSのWindowsアプリをChromeOSにストリーミング(画面のように画面が転送される)する仕組みです。
ChromeデバイスでWindowsが稼働するParallels Desktopと異なり、高性能なChromeデバイスは不要です。
ただし、ChromeOS Virtual App Deliveryはエンタープライズ向けで一般消費者向けには提供されません。
CrossOver ChromeOS
CrossOver ChromeOSとはChromebookでWindowsアプリに互換レイヤーを提供するソフトです。
システム要件は以下のようになっています。
- インテルCPU搭載の2019年以降のChromebook
- 2GB以上のRAM
- 1GB以上の空領域
以下のようなインテルCPU搭載のChromebookが必要です。
アプリの互換性は要確認
本物のWindowsを使わずCrossOverがWindowsの互換レイヤーを提供する、という仕組みのため、すべてのWindowsアプリが動作するわけではありません。
CrossOvereで動作するWindowsアプリはRun thousands of Windows programs on Mac, Linux & ChromeOSで確認できます。
ただ、現行のマイクロソフトOfficeも使えず、これではかなり厳しいと思う人が多いのではないでしょうか。
Windows 365
Windows 365はクラウド上に仮想化されたWindows PCを提供するサービスです。
Chromebookからはブラウザでクラウド上のWindowsに接続します。
つまり、Chromebook上でWindowsを動かすわけではなく、クラウド上のWindowsを遠隔操作するわけです。
この方法には3つの大きなメリットがあります。
- 高性能なChromebookが不要。
- 会社のPCでも自宅のChromebookでもまったく同じWindows環境が使える。
- 24時間稼働(会社での作業の続きをそのまま自宅でできる)。
ただ、Windows 365は法人向けのサービスです。
Windows Server VPS
Windows Server VPSとはクラウド上にWindowsの仮想デスクトップを提供するサービスです。
マイクロソフトが公式クライアントアプリを提供しており、ChromebookではAndroidの「Remote Desktop」アプリで接続して操作します。
Windows 365と同様、Chromebook上でWindowsを動かすわけではなく、クラウド上のWindowsを遠隔操作します。
企業や教育機関でない個人がChromebookでWindowsアプリを使う手段としてはこのWindows Server VPSがおすすめです。
RDS SAL料金 | 月額料金 | 合計 | |
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ConoHa for Windows Server![]() | 770円 | 1,210円〜 | 1,980円〜 |
KAGOYA CLOUD VPS | 1,155円 | 913円〜 | 2,068円〜 |
さくらのVPS for Windows Server![]() | 1,100円 | 1,210円〜 | 2,310円〜 |
Xserver VPS for Windows Server![]() | 990円 | 1,980円〜 | 2,970円〜 |
ABLENET VPS | 1,250円 | 1,694円〜 | 2,944円〜 |
Chromeリモートデスクトップ
ChromeリモートデスクトップとはGoogleが提供しているChromeブラウザからネットワーク上のWindows PC、Mac、Linuxを操作するためのソフトです。
前述のマイクロソフトが提供しているRemote Desktopとは別物です。
ただし、ChromeリモートデスクトップでWindowsを使うためにはWindows PCが必要ですし、スリープ(節電機能)もOFFにして常時稼働させておく必要があります。
しかし、サーバーでもないWindows PCを常時稼働させるのは電気代、熱、故障リスク、火災リスクなどが問題になるため、ChromeリモートデスクトップよりWindows Server VPSのほうが安心ではあります。
また、そもそもWindows PCがあるなら最初からそれを使えばいいのではないでしょうか……
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