Windowsをターゲットとした開発案件では必須とも言えるのがVisual Studioです。
Visual Studioとはご存知の通り、Windowsのプログラム開発に必要なテキストエディタ、コンパイラ、デバッガなどを統合したIDE(Integrated Development Environment、統合開発環境)です。
ユーザー単位のライセンス
Visual Studioのライセンスはユーザー単位です。
- 1ライセンスで1人のユーザーがVisual Studioをインストールできる。
- 1ユーザーで使うのであればVisual StudioをインストールするPCの台数に制限はない。
そのため、基本的に開発に参加するプログラマーの人数分だけライセンスが必要です。
IDE単体とサブスクリプション
Visual Studio購入の選択肢には大きくIDE単体とサブスクリプションがあります。
IDE単体 | サブスクリプション | ||||
---|---|---|---|---|---|
2019 Professional | Professional | Enterprise | Test Professional | ||
新規価格 | 64,131円 | 154,095円 | 770,991円 | 278,760円 | |
更新価格 | – | 102,687円 | 330,168円 | 115,539円 | |
Visual Studio IDE | 2019のみ | 全バージョン(サポート期限内のみ) | ☓ | ||
Visual Studio Team Services | 基本機能 | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ |
Test Manager | ☓ | ☓ | ◯ | ◯ | |
パッケージ 管理 | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ | |
Team Foundation Server 2017 | ライセンス | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ |
Test Manager | ☓ | ☓ | ◯ | ◯ | |
パッケージ 管理 | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ | |
クラウド サービス | Office 365 | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ |
開発 / テスト用 ソフトウエア | Office Professional Plus | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ |
Project | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ | |
Visio | ☓ | ☓ | ◯ | ☓ | |
Windows OS | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ | |
SQL Server | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ |
IDE単体
IDE単体とはいわゆるVisual Studio本体です。
開発/テスト用ソフトウエアやVisual Studio Team Services等が不要であればIDE単体で購入することになります。
ただし、IDE単体の購入には以下のデメリットがあります。
- 旧バージョンはIDE単体で購入できない
- 新しいVisual Studioに対応できない
- ライセンス管理が手間
旧バージョンはIDE単体で購入できない
現在、Visual Studioの最新版はVisual Studio 2019です。
しかし、Windowsの開発では旧バージョンのVisual Studioで開発されたプロジェクトのメンテ、または旧バージョンで開発されたプロジェクトをビルドして挙動を確認したいなど、旧バージョンのVisual Studioが必要な場面が多々あります。
IDE単体ではVisual Studio 2015や2013といったバージョンは購入できず、旧バージョンが必要ならサブスクリプクションか後述のパッケージを購入する必要があります。
既に旧バージョンのライセンスを持っていればライセンス数を増やせる
既に旧バージョンのライセンスを持っていれば、Visual Studio 2019のダウングレード権を使うことで旧バージョンのライセンス数を増やすことができます。
前述の通りVisual Studioはユーザー単位のライセンスですが、Visual Studio 2019を購入することで、手持ちの旧バージョンのVisual Studioを使えるユーザー数を増やせるということです。
新しいVisual Studioに対応できない
Visual Studio 2019のIDE単体で購入している場合、新しいVisual Studioが発売されても対応できません。
新しいVisual Studio IDEを買い直すか、Visual Studioサブスクリプションに移行する必要があります。
ライセンス管理が手間
Visual Studioのバージョン毎にライセンスがプログラマーの人数分だけ必要なため、ライセンス管理に手間がかかります。
サブスクリプションであればバージョンの概念はないため、単純にプログラマーの人数だけ契約し、もしプログラマーの人数が減ったら更新しないという単純な管理ですみます。
サブスクリプション
サブスクリプションとはソフトウエアを買い切るのではなく、一定期間(通常は1年間)使うための契約です。
Visual Studioサブスクリプションとは
Visual Studioサブスクリプションとは次の2つをセットにした製品です。
- 全バージョンのIDE
- 1年間のマイクロソフトの開発サポートサービス(サブスクリプション)
IDEは永続ライセンスのため、製品を購入すると永続的に使用可能です。
それに対し、サブスクリプションは1年間で終了し、開発サポートサービスは使用できなくなります。
引き続きサブスクリプションも使用したい場合はVisual Studioサブスクリプションを「更新」で購入することになります(「新規」の価格より「更新」のほうが大幅に安くなっています)。
旧バージョンが使える
Visual Studio 2015などの旧バージョンのライセンスを1つも持っていない場合、IDE単体を購入しても旧バージョンを使うことはできません。
サブスクリプションのVisual Studioを購入すれば旧バージョンのライセンスを1つも持っていなくとも旧バージョンをダウンロードして使うことができます。
ただし、サブスクリプションでダウンロード可能なVisual Studioはサポート終了していないバージョンのみです。
開発/テスト用ソフトウエアが含まれる
どのエディションのサブスクリプションにも開発/テスト用ソフトウエアが含まれます。
開発/テスト用ソフトウエアとはその名の通り、開発/テスト用のみに使えるラインセンスのことです。
例えば開発用のSQL Server、テスト環境用のWindows OSなどです。
開発/テスト用ソフトウエアを事務処理など開発/テスト以外の用途に使うのはライセンス違反となります。
Visual Studioでの開発ではテスト環境用のWindows OSやSQL Serverなどが必要になるのが普通のため、それらを含むサブスクリプションを購入するのが普通です。
パッケージの価格
パッケージとは箱売りされているVisual Studioのことです。
前述の通り、マイクロソフトストアでは最新バージョンかサブスクリプションのVisual Studioしか購入できません。
旧バージョンのVisual Studioならパッケージを購入するのがお手軽です。
コメント