
マイクロソフトのSurfaceシリーズで最軽量、最小サイズなのがSurface Goです。
本体(タブレット部分)のみなら522g、タイプカバー(キーボード)込でも765gという驚異的な軽さを実現しています。
原点回帰したSurface Go
現在、Surfaceと聞いて多くの人が思い浮かべるのはSurface Pro 6ではないでしょうか。
Surface Pro 6はパソコンとしてもタブレットとしても使える2in1ですが、12.3インチの画面サイズは普段使いのタブレットとしては重くてデカいです。
しかし、そもそもSurfaceはそんな大画面ではなく10インチ台の画面でした(下表)。
発売日 | 機種 | 重量 (本体のみ) | 画面 (インチ) | Windows |
---|---|---|---|---|
2013年3月 | Surface RT | 675g | 10.6 | RT |
2013年6月 | Surface Pro(初代) | 910g | 10.6 | 通常 |
2013年10月 | Surface 2 | 676g | 10.6 | RT |
2013年10月 | Surface Pro 2 | 907g | 10.6 | 通常 |
2014年6月 | Surface Pro 3 | 800g | 12 | 通常 |
2015年6月 | Surface 3 | 641g | 10.8 | 通常 |
2015年11月 | Surface Pro 4 | 766〜786g | 12.3 | 通常 |
2017年6月 | Surface Pro | 768〜812g | 12.3 | 通常 |
2018年8月 | Surface Go | 522g | 10 | 通常 (Sモード可) |
もともとタブレットしてもパソコンとしても使えるというのがSurfaceのコンセプトなのですから当然です。
しかし、軽く小さいSurface RTもSurface 2もWindows RTが採用されていたため、Windowsストアアプリ専用で通常のWindowsアプリを使うことができませんでした。
これはCPUとしてiOS(iPad/iPhone)やAndroidなどと同じARMを採用したためです。
通常のWindowsを動かせるインテルのCPUは当時はARMより消費電力が大きく、軽く小さいSurfaceを実現できなかったからだと思われます。
しかし、通常のWindowsアプリが使えないという制約はさすがにユーザーには受け入れられず、Windows RTもWindows RT版のSurfaceも絶滅の道を辿りました。
その後、Surfaceは「少し大きく少し重くても高性能」の方向に舵を切ったように思われます。
当初のSurfaceのコンセプトは失われたようにも思えました。
そんな中、登場したのがSurface Goです。
タブレット本体のみで522gで10インチと歴代Surfaceで最軽量かつ最小を実現しています。
本体とキーボードを合わせても765gと軽量ノートパソコンの中でもUMPC(Ultra Mobile PC)に迫る軽さです。
Sモードとは?
ちなみに上の表中の「Sモードも可能」を見て、本当に通常のWindowsアプリが使えるのかと疑う人もいるかもしれません。
Surface GoはSモードで出荷されるのですが、Sモードを「解除」することでまったく通常のWindowsとなり当然、通常のWindowsアプリを問題なく使えます。
Surface Pro 6とのサイズ比較
Surface Goはノートパソコンとして標準的なサイズ(?)のSurface Pro 6よりどの程度小さいのでしょうか。
まずはタイプカバーを閉じて鞄に入れるサイズ比較です。
左側がSurface Go、右側がSurface Pro 6です。

Surface Pro 6が入らない鞄でもSurface Goなら余裕ということはありそうです。
次はタイプカバーを開いた作業時のサイズ比較。
もちろん、左側がSurface Goです。

Surface Pro 6だと窮屈なカフェ等のテーブルでもSurface Goなら余裕かもしれません。
その代わり画面も小さいですが・・・。
スペックと価格
個人で購入できるSurface Goは2モデルあります。
また、タイプカバー(キーボード)は別売りですが、パソコンとして使うためにはほとんど必須なのでタイプカバーの価格を合わせて考える必要があります。
画面サイズ | 10インチ | |
---|---|---|
解像度 | 1,800×1,200 (217ppi) | |
重量(本体のみ) | 522g | |
重量(タイプカバー込) | 765g | |
CPU | Intel Pentium Gold 4415Y | |
OS | Windows 10 | |
Office | Office Home and Business 2019 | |
USB | USB-C x 1 | |
SDカード | マイクロSD | |
RAM | 4GB | 8GB |
ストレージ | 64GB eMMC | 128GB SSD |
本体価格(税込) | 69,984円 | 89,424円 |
タイプカバー価格(税込) | 12,744円 | |
本体+タイプカバー 価格(税込) | 82,728円 | 102,168円 |
iPadとの比較
最近は重いノートパソコンを持ち運ぶのを嫌ってiPadとSmart Keyboardを持ち運んでいる人も多いようです。
Surface Goと比べてどうなのでしょうか。
Surface Go + タイプカバー | iPad Air + Smart Keyboard | |
---|---|---|
総重量 | 765g | 680g |
サイズ | 17.5cm x 24.5cm | 17.5cm x 25.1cm |
マイクロソフト Office | Office Home and Business 2019 | Office Mobile |
IME | 選択可能 | iOS標準のみ |
タブレット単体の 使い勝手 | △ | ○ |
ファイルの扱い | ○ | △ |
生体認証 | 顔認証 | 指紋認証 |
ホームボタン | 無 | 有 |
SDカード | マイクロSD | ☓ |
USB | USB-C | Lightning |
マイクロソフトOfficeの差が大きい
マイクロソフトOfficeならiPad Proより断然Surface Goです。
Surface GoならフルセットのOffice Home and Business 2019が月額料金無しで使えます。
それに対し、iPad Proで使えるマイクロソフトOfficeは機能限定版のOffice Mobileです。
Office Mobileは画面サイズ10.1以下のデバイスで非商用利用であれば無料で基本的な編集機能が利用できます。
10.5インチのiPad ProではOffice Mobileはファイルの閲覧のみで編集ができません。
仮に9.7インチの無印iPad(Smart Keyboard非対応)ならOffice Mobileでファイルを編集ができますが、仕事のファイルを編集する(商用利用)はライセンス違反となります。
Office MobileでiPad Proのような10.1インチを超えるデバイスでの編集、または商用利用するためにはOffice 365の契約が必要です。
Office 365 Soloだと年間12,744円(税込)です。
テキスト入力はSurface Goの圧勝
iPadはハードウエアキーボード使用時にiOS標準以外のIME(日本語変換アプリ)を利用できないという制約があります。
iOS標準IMEの日本語変換精度はパソコンのIMEに比べて明らかに劣り、日本語入力作業では大きなストレスになります。
さらにSurface Goの打ちやすいキーボード(下の写真)のおかげもあり、テキスト入力ではSurface Goの圧勝です。

仕事である程度のテキストを入力する人はこの時点でもうSurface Goに決まりかもしれませんね。
ちなみにSurface Goのキーボードは本体とは別売なので注意です。
キーボードを外せばiPadの圧勝
キーボードを外し、本体のみでタブレットとして使うならiPadのほうが圧倒的に使い勝手がいいです。
WindowsのタブレットモードはWindows 8から進化を続けていますが、まだまだiPadには及ばないようです。
もし、タイプカバーを買わずSurface Go本体だけ買ってタブレットとして使うという人がいたら、よく考えたほうがいいのではないでしょうか。
指紋認証より顔認証
重要な情報を保存するタブレットから離れる時は自動ロックされます。
ロック解除のたびに暗証番号やパスワードなど入力するのは煩わしいものがあります。
そのため、iPad Proにはホームボタンに指をあてるとロック解除される指紋認証機能があります。
これはこれで便利なのですが、Surface Goはさらにその上をいっていて、顔を近づけるだけで顔認証されてロック解除できます。
ファイルを扱うならSurface Go
例えばWordとExcelのファイルを1つのZIPファイルにまとめてメールで送信する。
仕事ではありがちな作業です。
iPadでもできなくはないのですが、Surface Goでやったほうが圧倒的に楽です。
独自路線のiPad
AppleのiPadやiPhoneにはAndroidやパソコンなら当たり前のようについているSDカードのスロットがありません。
USBはLightningというApple独自の端子です。
そのため、SDカードやUSBでデータをやり取りする場合、iPadよりSurface Goが有利です。
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