ChromeOS Flex

ChromeOS Flex

ChromeOS Flexとは

ChromeOS Flexとは個人がPCやMacにインストールできるChrome OSのオープンソース版の1つです。

Chrome OSは一般販売されておらず、メーカーがChromebookChromeboxなどの「Chrome OSデバイス」にプリインストールされて出荷されます。

つまり、個人が手持ちのPCにChrome OSをインストールすることはできないわけです。

しかし、Chrome OSには「Chromium OS」と呼ばれるオープンソース版が複数存在します。

Chromium OSであれば個人が手持ちのPCに自由にインストールできます。

ただし、動作するとは限りませんが……

CloudReadyがベース

複数のChromiums OSの中でよく使われていたのはNeverware社が開発したCloudReadyだったと思われます。

Neverware社は2022年12月にChrome OSの開発元であるGoogleに買収されました。

その買収によってCloudReadyをベースにChromeOS Flexが開発されました。

ChromeとOSの間にはスペースが入る?

「ChromeOS Flex」は「Chrome OS Flex」と「Chrome」と「OS」の間にスペースを入れて表記されている場合があります。

登場当時はGoogle公式も含めすべてスペースが入っていました。

しかし現在、Google公式ではスペース無しで「ChromeOS Flex」と表記されています。

Chrome OSとの違い

ChromeOS FlexとChrome OSには以下の違いがあります。

ChromeOS Flex Chrome OS
対応ハードウェア PC
Intel Mac
Chrome OSデバイス
Google Playストア
Androidアプリ
サポート 自動更新ポリシー サポート期限

Androidアプリが使えない

Chromebookなどに搭載されたChrome OSにはGoogle Playストアがあり、ストアからAndroidアプリをインストールして使えます。

それに対し、ChromeOS FlexにはGoogle Playストアがなく、Andoirdアプリは使えません。

ちなみにLinuxアプリはChromeOS Flexでもプロセッサが対応していれば使えます。

自動更新ポリシーとサポート期間

Chrome OSデバイスには自動更新ポリシーがあります。

自動更新ポリシーとはChrome OSのアップデートができる有効期限です。

その期限を過ぎるとOSアップデートはできなくなります。

Chrome OSに脆弱性が発見されても対策できなくなるため、期限を過ぎたChrome OSデバイスは事実上、使えません。

しかし、ChromeOS FlexをインストールするPCはChrome OSデバイスではないため、自動更新ポリシーがありません。

それに対し、ChromeOS Flexの認定モデル(後述)にはサポート期限があります。

ただ、サポート期限を過ぎても認定モデルでなくなるだけです。

認定モデル以外でもサポートはされないものの使い続けることはできます。

そして、Chorme OSデバイスの中にはChromeOS Flexをインストールできるものもあります。

自動更新期限の切れたChorme OSデバイスにChromeOS FlexをインストールするとOSアップデートができるようになります(Androidアプリは使えなくなりますが)。

ChromeOS Flexの登場によって「Chrome OSの自動更新ポリシーって一体何?」ってことになるかもしれません。

動作要件

ChromeOS Flexの動作要件は以下です。

CPU Intel/AMDのx86/x64
メモリ 4GB
ストレージ 16GB

Chrome OS Flex認定モデル

Chrome OS Flex認定モデルとはGoogleがChrome OS Flexのテストに使っているパソコンです。

認定モデルリストにあるパソコンであれば少なくともChrome OS Flex 認定モデルの概要のページにある機能は動作保証されています。

Macは古い機種のみ

現行のMacはIntel CPUを搭載しているのはMac miniの一部と27インチのiMacだけで、他はすべてARM系のApple M1を搭載したM1 Macです。

M1 MacではChromeOS Flexは使えません。

正確にはM1 MacでIntel CPUをエミュレートすることで動かす方法もあるにはあるのですが、実用にはなりません。

また、Intel Macでも認定モデルリストにあるのはかなり古い機種のみです。

新しめのIntel MacにChromeOS Flexをインストールしてもキーボードやトラックパッドが動作しないようです。

Windows on ARMはダメ

少数ですがWindows on ARM対応のWindows PCも存在します。

CPUはIntelでなくARMなのでダメです。

2010年より前のPCでは快適に使えない

上記の動作要件以外に2010年より前のPCでは快適に使えないとされています。

ChromeOS Flex用メディア

ChromeOS Flexを使うにはまずChromeOS Flex用のメディアを作成します。

8GB以上のUSBメモリかSDカードが必要です。

ChromeOS Flex用メディアを作成するにはChromeブラウザにChromebookリカバリユーティリティを追加し、拡張機能を起動します。

「始める」をクリックします。

Chromebookのリカバリメディアの作成

「リストからモデルを選択」をクリックします。

リストからモデルを選択

「Google ChromeOS Flex」と「ChromeOS Flex (Developper-Unstable)」を選択し、「続行」をクリックします。

Developper-Unstable

PCにUSBメモリを挿入し、画面上で挿入したUSBメモリ名を選択して「続行」をクリックします。

USBフラッシュドライブまたはSDカードの挿入

「今すぐ作成」をクリックするとChromeOS Flex用のUSBメモリの作成が始まります。

リカバリイメージの作成

数十分後に以下の画面が表示され、「完了」をクリックするとメディア作成は終了です。

リカバリメディアの作成が完了しました

マルチブートはサポートされない

マルチブート(デュアルブート)とはPCの起動時に使用するOSを選択する機能です。

Chome OS Flexはマルチブートをサポートしません。

つまり、ChromeOS FlexをインストールしたらWindows(またはmacOS)は使えなくなります

そのためか、前述のChromeOS Flex用メディアでPCを起動して、とりあえずChromeOS Flexを使えるようになっています。

動作は遅いですがまずはそれで期待通りに動作するのを確認できてからPCにインストールしたほうが無難です。

WindowsやmacOSをバックアップしていない限り、インストールしてしまったら後戻りはできませんのでくれぐれも自己責任でお願いします。

2018年発売のPCで使ってみた

ChromeOS Flexを2018年2月発売の「キーボードPC II Pro Edition WKA-W10PBK」で使ってみました。

WKA-W10PBKはキーボード一体型の珍しいPCで以下のようなスペックです。

CPU ATOM x5-Z8350
RAM 4GB
ストレージ 32GB eMMC
OS Windows 10 Pro 64bit
映像出力 HDMI (2560×1440) x 1
VGA (1920×1080) x 1
ポインディングデバイス タッチパッド
キーボード 本体一体型 日本語82キー
オーディオ 内蔵ステレオスピーカー
ヘッドフォン3.5mmジャック x 1

ストレージが32GBしかないため、肥大化したWindows 10での運用はかなり厳しいです。

USBメモリでChromeOS Flex用のメディアを作成しました。

USBメモリから起動するにはBIOSの設定を変更する必要がありますが、WKA-W10PBKの取扱説明書にはBIOSの変更方法が書かれていません。

試行錯誤したところ、電源投入後にEscを連打しているとBIOS変更画面になりました。

WKA-W10PBKのBIOS

「BOOT」メニューの「Boot Option #1」をChromeOS Flex用のUSBメモリに変更します。

Boot Option Priorities

F4キーを押して「Save & Exit Setup」を表示し、「Yes」を選択します。

Save & Exit Setup

ChromeOS Flexが起動します。

WKA-W10PBKの一体型タッチパッドは動作しています

「Do you want to activate ChromeVox, the built-in screen reader for Chrome OS?」が表示されるので「No, continue without ChromeVox」をクリックします。

Do you want to activate ChromeVox, the built-in screen reader for Chrome OS?

「English(United Status)」をクリックします。

English(United Status)

「言語」に「日本語」、「キーボード」にも「日本語」を選択して「OK」をクリックします。

言語とキーボードの選択

「始める」をクリックします。

ChromeOS Flexへようこそ

デフォルトで「ChromeOS Flexをインストール」がチェックされていて、そのまま「次」へをクリックすると不具合に気づいても後戻りできません

そのため、「試してみる」をチェックして「次へ」クリックします。

ChromeOS Flexのご利用開始

WKA-W10PBKのWi-Fiは動作しています

Wi-Fiネットワークへの接続

「同意して続行」をクリックします。

Google利用規約

「あなた」を選択して「次へ」をクリックします。

このChromeデバイスはどなたが使用しますか?

Googleアカウントでログインします。なぜか「Chromebook」の文字が……

Chromebookへのログイン

「同意して続行」をクリックします。

Chromeデバイスの同期

ChromeOS Flexが起動します。

ChromeOS Flex

音が出ない

インストールせずにUSBメモリで動いているわりにはWindows 10よりは軽快に動きます。

しかし……、音が出ません。

WKA-W10PBKにはHDMI、ヘッドフォン(3.5mmジャック)、内蔵スピーカーの3つのオーディオ出力先がありますが、どの出力先に切り替えても音量を調節しても音は出ませんでした。

音が出ない

前述のようにChromeOS Flexの前身はCloudReadyなのですが、CloudReadyにはCherry Trail(Atom)のPCで音が出ない問題がありました。

その問題がChromeOS Flexにも引き継がれているのではないでしょうか。

キーボード一体型のWKA-W10PBKに動作の軽いChromeOS Flexをインストールしてホテルのテレビで動画を見ようと思ったのですが、音が出ないのでは無理です。

そんなわけでWKA-W10PBKへのインストールは断念しました。

教訓

  • 手持ちのPCで使う(ChromeOS Flex用に購入しない)
  • Cherry Trail(Atom)は鬼門
  • ノートよりデスクトップがいいかも

手持ちのPCで使う(ChromeOS Flex用に購入しない)

ChromeOS Flexなら誰でも手軽にChromium OSがインストールできますが、全てのPCで動くようなものではないので、「手持ちのPCで」が鉄則です。

古くて安いPCでもサクサク使えるからといって、ChromeOS Flexために安い中古PCなど購入などすると安物買いの銭失いになるかもしません。

また、下手な中古PCより安いChromebookはたくさんあるため、初めからChromebookを買えば良かったということにもなりかねません。

Cherry Trail(Atom)は鬼門

ChromeOS Flexで古いPCを動画専用機として復活させたい、というのはありがちですが、古いPCにありがちなCherry Trail(Atom)だと音が出ないため、動画用にはなりません。

ノートよりデスクトップがいいかも

ChromebookがChrome OSの代名詞のようになっていますが、Chrome OSを搭載したデスクトップPCもあります。

「Chromebox」です。

ただ、なぜか安価なChromeboxが見当たらない状況です。

Chromeboxが高価で購入しづらい今、デスクトップでChrome OSを使うならChromeOS Flexではないでしょうか。

デスクトップPCならChromeOS Flexで問題を起こしそうなタッチパネル、タッチパッド、Wi-Fiといったハードウェアがそもそもありません。

例えば、ChromeOS Flexで音が出ない場合、USBスピーカーを追加してもそれほど気になりません(持ち運べるノートに追加するのはさすがに気になると思いますが)。

ChromeOS FlexはAndroidアプリが使えませんが、デスクトップではそもそも使う気にならないでしょうし。

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