
Windows 10が最後って話は?
2015年にWindows 10がリリースされた時、開発元であるマイクロソフトはこんなことを言っていました。
- Windows 10が最後のWindowsとなる。
- Windows 10には半年に1度のWindows Updateで新機能が提供される。
- もうユーザーが有料でWindowsをアップグレードすることはない。
にもかかわらずWindows 11をリリースした理由はよくわかりません。
ただ、Windows 10搭載PCでもシステム要件を満たせば(詳細は後述)、Windows 11に無料でアップグレードできます。
Windows 11とWindows 10の違い
Windows 11 | Windows 10 | |
---|---|---|
スタートボタン / スタートメニュー | 画面中央 | 画面左下 |
Microsoft Store | 全アプリ | UWP / MSIXのみ |
Androidアプリ | ◯ | ✕ |
Sモード | Homeのみ | Pro / Home |
32bit版 | ✕ | ◯ |
タブレットモード タイムライン ウォレット | ✕ | ◯ |
Teams | OS統合 | ブラウザ / アプリ |
IE | ✕ (Edgeの IEモードを利用) | プリインストール |
Cortana | 自動起動しない タスクバーにピン留めしない | 自動起動 タスクバーにピン留め |
キオスクモード | 単一アプリのみ | マルチアプリ |
OneNote for Windows 10 Skype 3D Viewer ペイント 3D | Storeからダウンロード | プリインストール |
エディションはWindows 10と同じ
Windows 11のエディションはWindows 10とまったく同じです。
一般のユーザー向けに販売されるエディションには以下があります。
SモードはWindows 11 Homeのみ
意外なこと(笑)にWindows 10の「Sモード」もWindows 11で踏襲されます。
ただし、SモードはWindows 11 Homeのみで、Windows 11 ProのSモードはありません。
タブレットモードは廃止
Windows 11ではタブレットモードが廃止されました。
タブレットモードとはタッチパネルで操作しやすいUIモードです。
キーボードが脱着可能なPCではキーボードを外すとタブレットモードにする設定もできました。
そうはいってもWindows 10のタブレットモードの操作性はiPadには到底かないませんでした。
逆にタブレットモードではマルチウインドウが使えないなど「Windowsを無理にタブレットとして使う意味」がなくなってしまうため、タブレットとして使う場合もデスクトップモード(通常のUI)のままの人が多かったのではないでしょうか。
そんな状況ですから廃止で困る人はいないかと。
システム要件
Windows 11のシステム要件は以下のようになっています。
メモリ | 4GB以上 | |
---|---|---|
ストレージ | 64GB以上 | |
64bit CPU (SoC) | クロック | 1GHz以上 |
コア | 2コア以上 | |
サポート対象 | 第8世代Core以降 Core X Xeon W Core 7820HQ Zen 2以降 Microsoft SQ1 / SQ2 | |
ファームウェア | セキュアブート対応UEFI | |
TPM | TPM 2.0 | |
GPU | DirectX 12対応 WDDM 2.0以上 | |
ディスプレイ | 9インチ以上 |
システム要件に合致するWindows 10 PCであれば無料でWindows 11にアップグレードできます。
システム要件を満たしているか確認する
Windows 10のPCにWindows UpdateでKB5005464が適用されていればWindows 11のシステム要件を満たしているか確認できます。
確認するには「設定」-「更新とセキュリティ」-「Windows Update」を開きます。
「このPCでWindows 11を実行できます」と表示されていればWindows 11のシステム要件を満たしています。
順次配信されているWindows 11を受信可能になると、この画面に「Windows 11へのアップグレードの準備ができした」が表示され、この画面からWindows 11へのアップグレードができます。
システム要件を満たさないPCでもインストールできる?
Windows 10を利用中のPCが上記のシステム要件を満たしていればWindows 11に自動アップグレードされます。
システム要件を満たしていないPCでは自動アップグレードはできないのですが、「Media Creation Tool」を使って手動インストールできるとする情報もあります。
ただ、管理人は実際に確認していません。
Macでは使えない?
MacでWindowsを使う方法はいくつかあります。
MacではWindows 11のシステム要件であるTPM 2.0(Trusted Platform Module)が有効になっていないため、Boot CampではWindows 11を使えません。
それに対し、仮想化ソフトであるParallels Desktop for Macは仮想TPMモジュールを提供するため、Windows 11対応となっています。
Androidアプリは2022年中
現在、Windows 11でAndroidアプリが使えるのはアメリカだけです。
日本(とフランス、ドイツ、イタリア、イギリスの5カ国)では2022年末まで使えるようになるとされています。
日本や米国で販売されているAndroidスマホやAndroidタブレットの多くはGoogle PlayストアからAndroidアプリを入手します。
それに対し、Windows 11ではGoogle PlayストアではなくAmazonアプリストアからAndroidアプリを入手します。
Amazonアプリストアとはその名の通り、Amazonが運営しているアプリストアでAmazonのAndroidタブレットであるFire HD 10などで利用されています。
Amazonアプリストア(現在は米国でもプレビュー版)はGoogle Playストアに比べてアプリ数がかなり少ないのですが、Windows 11によってその状況が改善されるかもしれません。
APKファイル(Androidアプリのインストールファイル)をサイドロード(アプリストアを使わずに直接インストールすること)することも可能です。
ただ、WindowsでAndroidアプリが使えてうれしいのか?という根本的な疑問がありますが。
Androidアプリのシステム要件
Windows 11が動く全てのPCでAndroidアプリが使えるわけではありません。
Androidアプリを使うためには前述のWindows 11システム要件に加え、以下が必要です。
メモリ | 8GB(最小) 16GB(推奨) |
---|---|
ストレージ | SSD |
CPU | 第8世代インテルCore i3以上 AMD Ryzen 3000以上 Qualcomm Snapdragon 8c以上 |
仮想マシン プラットフォーム | 有効 |
Office 2013はサポート対象外
Windows 10でOffice 2013を使っている場合、Windows 11にアップグレードするとOffice 2013がサポート対象外になります。
Office 2013はWindows 11をサポートしないためです。
評判
過去にリリースされたWindowsがどれも評判よかったかと言うとそうではありません。
リリース時期 | Windows バージョン | 評判 (管理人主観) | ダメな点 |
---|---|---|---|
2021年 | Windows 11 | ? | |
2015年 | Windows 10 | ||
2013年 | Windows 8.1 | スタートボタンを復活させただけ | |
2012年 | Windows 8 | タブレットUI | |
2009年 | Windows 7 | ||
2006年 | Windows Vista | ウィンドウの3D表示(PC性能が必要) | |
2001年 | Windows XP |
上の表の評判は管理人の主観ですが「余計なこと」をやったバージョンのWindowsはあまり評判がよくないように思います。
例えば、Windows Vistaはウィンドウを3Dで見栄えよくするために多大なPC性能を要求しました。
でもウィンドウが3Dで表示されたからと言ってアプリでできることは何も変わりません。
Windows 8ではタッチで操作しやすいというタブレットUIが導入され、スタートボタンすらなくなりました。
でもWindowsをタブレットとして使っている人がどれだけいるでしょうか。
スタートボタンまでなくしたのがあまりにも不評だったためかWindows 8.1で復活、でもタブレットUIのまま頑張りました。
結局、次のWindows 10でタブレットUIは大きく後退しました。
Windows 11は古いハードウエアのサポートを切り捨ててシンプルにした感はありますが、Androidアプリという「余計なこと」に地雷臭がします。
基本的にブラウザしか使えないでChromebookで「仕方なく」Androidアプリを使う人はいると思います。
でもWindowsでAndroidアプリが使えると何がうれしいのでしょうか。
Windowsに求めることはアプリを軽快に実行する安定した環境。
そう考えているユーザーが多かったからWindows 10、7、XPの評判がよかったのではないでしょうか。
コメント
Androidが動くことによって
重くなる懸念はありますが…
まぁBluestacksより重いって事は流石にないでしょう()
> 例えば、Windows Vistaはウィンドウを3Dで見栄えよくするために多大なPC性能を要求しました。
> でもウィンドウが3Dで表示されたからと言ってアプリでできることは何も変わりません。
これ、「Vistaからウィンドウを3Dで表示できるようになった」ということと「Vistaが思いと言われていた」ということだけ見て、勝手に妄想して事実のように言ってませんか?
実際は、VistaからDWMが実装されたので、ついでにその機能を使ってフリップ3D等が実装されたという話で、フリップ3Dとか自体は大した負荷ではなかったと思います。肝はDWMの実装というところで、これは今のWindowsでも使われているとても重要かつ必要な変化だったと思います。アプリでできることもしっかりかわっています。
否定的やん。嬉しいかどうかはあんたが決めることやないで。地雷臭はお互い様やん
ちゃんと 主観って書いてあるやん 噛みつくだけの能無しがいる様子やなぁ
ビスタは酷かった これまでのPCを使い物にならなくした罪は大きい。XP時代のPCがアップグレードできない事件が多発し、企業の数百台あるPC購入に大きなダメージを与えた。XPのサポートが伸びた理由。
ビスタの様な変更は徐々に進めるべきである。今回の要件 セキュアブート対応UEFIはビスタアップデート時の混乱を防ぐため、Media Creation Toolを提供しているのでしょう 僕も実施済み 問題なしに起動中。
※Vistaを否定はしていません。
windows11でandroidアプリが動くのはいいことですよ。
なんならiosアプリが動いてくれたっていい。
そういったアプリとコピペやデータのやりとりができることが前提だけれど。
それで安定性が落ちるのは駄目ですが、重いのはマシンパワーを上げれば済むだけの話。
ついでに低スペPC向けにアプリ動作機能をOn/Off又はwindows機能追加/削除が出来れば問題ないんじゃないですかね。