Windows 10のSモードとは?

Surface Laptop GoSurface Go 2はWindows 10が「Sモード」の状態で出荷されています。

そのため、Surface Lapto GoやSurface Go 2では「通常のWindowsアプリは動かせない」などと誤解している人もいるようですが、そんなことはありません。

Sモードの前身であるWindows 10 Sであれば「通常のWindowsアプリは動かせない」は半分、正しかったかもしれませんが。

Windowsの機能を制限したモード

Windows 10のSモードとはWindows 10 HomeやWindows 10 Proの以下の機能を制限したモード(状態)です。

  • Microsoftストア以外からのアプリのインストール
  • Edge以外の既定ブラウザ
  • Bing以外の検索プロバイダー
  • Active Directoryへの参加

多数のPCを管理している組織ではこのような機能をわざわざ制限したい場合があります。

Microsoftストア以外からのアプリのインストール

危険なアプリをインストールさせないためです。

MicrosoftストアからインストールするUWP(Universal Windows Platform)アプリはすべてマイクロソフトによって安全性が確認されています。

SモードではUWP以外のアプリをインストールできないため、ウイルスが混入しているなど危険なアプリをインストールしてしまうことがありません。

また、長期使用(実際にはMicrosoftストア以外のアプリやドライバのインストール)によってWindowsの動作が遅くなる問題を回避することもできます。

Microsoft Ad Monetizationは終了

Microsoft Ad MonetizationとはUWPアプリを広告によって収益化するプラットフォームです。

そのMicrosoft Ad Monetizationは2020年6月に終了とされています。

UWPアプリはただでさえ少ない状況ですが、アプリ開発者にとってMicrosoft Ad Monetizationの終了はアプリをMicrosoftストアで提供するメリットが1つ減ることを意味します。

MicrosoftストアのUWPアプリの未来は明るくないのかもしれません。。。

Edge以外の既定ブラウザ

Edgeとはマイクロソフト製のブラウザです。

昔のEdgeにはWindows標準のHTMLエンジン(EdgeHTML)とJavaScriptエンジン(Chakra)が使われていました。

それらの標準エンジンを使っていればEdge以外のブラウザでもWindowsストアで提供することができます(Chromeなどのマルチプラットフォーム対応ブラウザのほとんどはWindows標準エンジンを使っていないためWindowsストアで提供される可能性は低いです)。

そして、Windows 10 SモードでもそうしたWindowsストアのブラウザをインストールすることはできます。

しかし、それらを既定のブラウザにすることはできません。

既定のブラウザとはアプリの画面などでインターネットのリンクをクリックした時に使われるブラウザです。

Chromium版のEdgeの扱いは?

つまり、

安全なWindows標準エンジンを使っているEdgeだけがSモードの規定ブラウザになれる。

ということです。

ところがですよ、マイクロソフトはその安全なはずのEdgeのエンジンをChromiumに置き換えてしまいました。

ChromiumとはGoogle社のChromeブラウザにも使われているオープンソースのHTML・JavaScriptエンジンです。

このChromium版のEdgeは2020年1月にリリースされました。

リリース当初は手動インストールのみの提供でしたが、現在はWindows Updateによって昔のEdgeはChromium版へと置き換えられます。

Sモードを考えなければ「Edgeの中身がChromeと同じになって良かったね」で済む話ですが、Sモードでの扱いは一体どうなるのでしょうか?

マイクロソフトが「Chromiumの安全が確認できました」とか言ってSモードでも規定ブラウザにするのでしょうか。。。

Bing以外の検索プロバイダー

検索プロバイダーとはEdgeに検索語句を入力した時、検索を実行するYahoo検索エンジン、Google検索エンジンやBing検索エンジンのことです。

Sモードではこの検索プロバイダーはBing固定で変更できません。

Bingとはマイクロソフトが提供している検索エンジンで、成人向けコンテンツを検索結果から除外するセーフサーチ機能があります。

Active Directoryへの参加

Active Directoryとはネットワーク上のWindows PCを管理するための仕組みです。

会社や学校など多数のPCを管理する必要がある組織で使われています。

Windows 10 Homeにはもともとこの機能がないため、事実上Windows 10 ProのSモードのみの制限となります。

ただ、Active Directoryへ参加できないと組織でSモードのPCを管理するのが面倒になる気がします。

Sモードはどちらかという個人よりは組織向けの機能だと思いますが、Active Directoryへの参加を制限する理由については公表されていないようです。。。。

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Sモードは解除できる

いくらSモードが安全だといってもWindowsストア以外のアプリを使いたい場合があるのは当然です。

Sモードは解除して、通常のWindows 10 HomeやWindows 10 Proにすることができます。

解除費用等も必要もなく無料で簡単に解除できます。

ただ、いったんSモードを解除して通常のWindows 10にすると、Sモードに戻すことは基本的にできません。

これは考えてみれば当然の話でSモードを解除して危険な(?)通常のWindows 10であれこれ作業し、またSモードに戻せるのではSモードの意味がないですよね。

Sモードの前身Windows 10 Sとは

このSモードの前身となったのはWindows 10 Sです。

Windows 10 Sとは2017年5月に発表され、2018年2月に終了したWindows 10の「エディション」でした。

「モード」でなく「エディション」でした。

つまり、一般ユーザー向けのWindows 10には以下の3つのエディションがありました。

Windows 10 Proから以下の機能を「削除」したエディションがWindows 10 Sでした。

  • Windowsストア以外からのアプリのインストール
  • Edge以外の既定ブラウザ
  • Bing以外の検索プロバイダー
  • Active Directoryへの参加

見てわかるとおり、これはSモードで「制限」される機能と同じです。

Windows 10 Sでは通常の(Windowsストア以外の)アプリを使うことはできません。

機能が制限されているのではなく「削除」されているのですから、Sモード解除のようにはいかないわけです。

どうしても通常のWindowsアプリを使いたければ、Windows 10 Sを辞めてWindows 10 Proに有償(2018年3月までは無償でした)でアップグレードする必要がありました。

初代Surface Laptopは発売当初このWindows 10 Sを搭載していましたが、途中からWindows 10のSモードに変更されました。

そして、2代目のSurface Laptop 2からは発売当初から通常のWindows 10 Homeになっています。

安全なWindowsの元祖

SモードもWindows 10 Sも機能を制限することで「安全なWindows」を実現している点では同じです。

実はこの「安全なWindows」には元祖とも言える存在があります。

2012年に発表されたWindows RTです。

Windows RTは初代のSurfaceであるSurface RTをはじめ、いくつものPCに搭載されましたが事実上終了しています。

その原因はおそらく絶対にWindowsアプリが使えないという厳しい制約だっと思います。

Sモードのように解除することもできず、Windows 10 SのようにWindows 10 Proにアップグレードすることもできませんでした。

それもそのはず、Windows RTの対応CPUはARM(iPadなどに使われているCPUです)のみで、そもそもハードウエア的に通常のWindowsアプリは動かせませんでした。

Windows RTの「安全なWindows」という思想を引き継いだWindows 10 Sという「エディション」は発表から1年足らずで終了となりました。

その後継であるWindows 10の「Sモード」の未来はどうなるでしょうか?

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SモードとChrome OS

Chrome OSとは「Chromeブラウザを動かすためだけのOS」です。

ChromebookやChromeboxなどのChrome OSデバイスに搭載されています。

Chrome OSの成り立ちはWindowsのSモードとは全く異なります。

しかし、アプリのインストールやブラウザの変更が制限されることで「安全なOS」が実現できているのはWindowsのSモードと同じです。

「安全なOS」だけを求めるユーザーであればChrome OSも選択肢に入ります。

ただし、Sモードには「Windowsと同じ操作性」という大きなメリットがあります。

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Sモード搭載のPC

Surface Laptop Go / Surface Go 2

記事冒頭で書いたようにマイクロソフトのSurface Laptop GoとSurface Go 2がSモードの状態で出荷されています。

Surfaceの現行機種でSモードで出荷されるのはこの2機種のみです。

どちらも製品名に「Go」がつくモバイル向きのSurfaceですがこの2機種だけがSモードの理由って何なのでしょう?

Surface Laptop Go
マイクロソフト
84,480円(税込)~
2020年10月13日発売

YOGA C630

YOGA C630はARM版のWindows 10を搭載し、かつSモードで出荷される珍しいPCです。

ARM CPUのSnapdragon 850を採用しているだけあって、最大18.6時間もの駆動時間を実現しています。

SモードでないARM版Windowsは64ビットのアプリが動作しない問題がありますが、Sモードで使うのであればそもそも問題になりません。

そういう意味でSモードの真価を一番発揮できるのはこのYOGA C630のようなARM CPUのPCなのかもしれません。

ちなみにSモードではないですが、ARM版Windowsを搭載したPCには他にSurface Pro Xがあります。

ASUS E210MA

ASUS E210MAは約1.08kgの軽さで最長約12.7時間の長時間駆動を実現した11.6インチのノートPCです。

180度開くヒンジを採用し、テンキー付きタッチパッドを搭載しています。

3万円強と価格も魅力です。

A111-31-A14

AcerはAmazon.co.jp限定でお得なWindows 10 Sモード搭載ノートPCを販売しています。

Office Home and Business 2019搭載でコストパフォーマンスが高いです。

LIVAZ2-W10S

LIVAZ2-W10SはECSの超小型のデスクトップPCです。

ファンレスで完全に無音で動作します。

m-Book

マウスコンピューターがSモード搭載のノートPC、m-Bookを販売しています。 m-Book

コメント

  1. 匿名 より:

     アプリの取り扱いは旧態依然のOSに成り下がっていると思います。

  2. アビちゃんママ より:

    cmd.exe(Command prompt)が動かないものをPC OSと呼べるのでしょうか。
    PCを勉強しようとしたら、command batchが個人のautomationの基本だと思っていました。

  3. DNG より:

    子供が安全に使えるPCとしてSモードを利用しています。Chromium Edgeを正式リリース後にインストールしたところ、検索エンジンをGoogleに変更できるようになりました。正直、Bingの検索結果はいけてないので、Bing固定でなくなってとても嬉しいです。