MacでWindowsが使える
昔はMacでWindowsを使う方法としてはBootCampが一般的でした。
しかし、現在販売されているアップルシリコン(M3/M2/M2)MacではBootCampは使えません。
現在のアップルシリコンMacでもParallels Desktopを使えば仮想環境でARM版のWindowsを使えます。
しかし、WindowsServerならParallels Desktopに対して以下のメリットがあります。
- ARM版Windowsの制約がない
- MacのメモリやSSDをほとんど使わない
- Windowsライセンス不要
- 電気代不要で24時間稼働
- 複数のMacで使える
- Mac以外(Windows、Chromebook、iPad、iPhone、Android、Linux)でも使える
Windows Server | Parallels Desktop | |
---|---|---|
Windows ライセンス | 不要(サブスクリプションに含まれる) | 必須 |
Macメモリ 使用量 | 少ない | 最低4GB |
Mac SSD 使用量 | 少ない | 最低40GB |
24時間稼働 (電気代不要) | ||
複数Mac で利用 | ||
Mac以外 で利用 | Windows
Chromebook Linux iPad/iPhone Android |
無料でWindowsを使ってみる
MacでWindowsを使うにはMac App StoreからMicrosoft Remote Desktopアプリをインストールします(M3/M2/M1 Macにネイティブ対応しています)
Windowsプランを開き、必要なメモリとストレージによってWin1〜Win5プランを選択します。

- 通常の(大きくて重くない)Windowsアプリを1つ動かすだけなら「Win2」プランでいいかと思います。
- 同じプランでもSSDよりHDDのほうが大容量(Win2プランのみSSDが大容量)ですが、速度の面でやはりHDDよりSSDかと。
無料でお試しするには「お支払い方法」として「クレジットカード試用期間あり」か「コンビニ払い」を選択します(コンビニ払いの場合は支払い期限の10日間が試用期間となります)。

下へスクロールし、2箇所の「同意する」にチェックして「契約期間の選択へ進む」をクリックします。

サーバー契約期間を選択します。契約期間が長いほどお得になります。

リモートデスクトップサービス(RDS)ライセンスは利用するユーザー数分必要です。
利用するのが1人だけなら「1」です。

マイクロソフトOfficeを使うならMicrosoft Office SALのライセンス数を選択します。

画面右下の「見積り画面へ進む」をクリックします。

「同意する」にチェックし、「WindowsServer2022」を選択します。

画面右下の「申込者情報の入力へ進む」をクリックします。

名前や住所などの情報を入力します。
サーバーの準備が整うとWindows Server VPSが起動し、ABLENETから件名「[ABLENET:VPS] VPS(Winプラン)設定完了通知/試用について」のメールが届きます。
メール本文にはWindows VPS仮想デスクトップに接続するための以下の情報が記載されています。
- 仮想デスクトップのIPアドレス
- 仮想デスクトップの初期パスワード
Microsoft Remote Desktopを起動し、「Add PC」をクリックします。

「PC name」に仮想デスクトップのアドレスを入力し、「Add」をクリックします。

追加したIPアドレスのWindows PCをダブルクリックします。

「Username」に「Administrator」、「Password」に仮想デスクトップのパスワードを入力し、「Continue」をクリックします。

MacのデスクトップにWindowsのような画面(実際にはWindows VPSの仮想デスクトップ)が現れます(もちろん全画面にもできます)。

Mac上でWindowsが動いている(実際にはクラウドでWindowsが動作しています)かのように使えます。
キーマッピング
WindowsのキーボードにはMacのキーボードにはないキーがあります。
リモートデスクトップ接続ではMacにないキーは以下のようにマッピングされます。
Windowsのキー | Macキーボードのキー |
---|---|
Windows | Command |
Alt | Option |
「かな」キーと「英数」キー
Mac日本語キーボードの「かな」キーと「英数」キーを有効にするには、リモートデスクトップ接続した状態で「Command」+「R」を押し、「ファイル名を指定して実行」画面で「regedit」と入力して「OK」をクリックします。

レジストリエディタが起動したら以下の場所を開きます。
下図のように「Layout File」の値を「kbd106.dll」に書き換えます。

Windowsを再起動し(リモートデスクトップ接続は切断されます)、再接続して「かな」キーと「英数」キーが効くことを確認します。
スクリーンショット
Windowsでスクリーンショットを取るための「PrintScreen」キーはMacにありません。
しかし、「shift」 + 「command」 + 「S」でSnipping Toolを起動すればスクリーンショットが撮れます。
Snipping ToolはスクリーンショットをWindowsのクリップボードに保存します。
後述のクリップボード転送設定をしていればMacのクリップボードにも保存されます。
一部のMacキーボードショートカットを使えるようにする
WindowsでコピーはControl + C、ペーストはControl + Vです。
しかし、Macユーザーはどうしても command + C でコピー、command + V でペーストと間違えます。
そんなMacユーザーを思ってかMicrosoft Remote Desktopアプリには一部のMacショートカットをWindowsでも使えるようにする機能があります。
使えるようにするには「Microsoft Remote Desktop」-「Settings」メニューを選択して「Preference」を表示し、「General」タブの「Use Mac shortcuts for copy, cut, paste and select all, undo, and find」をチェックします。

チェックすると以下のMacショートカットがWindowsでも使えるようになります。
コピー | command + C |
カット | command + X |
ペースト | Command + V |
全選択 | command + A |
アンドゥ | command + Z |
検索 | command + F |
Command + Wで終了しないようにする
Windowsではウィンドウを閉じるショートカットキーは「Alt」+「F4」です。
Macからのリモートデスクトップ接続では前述のキーマッピングのように option + F4 になります。
しかし、Macユーザーはリモートデスクトップ接続でもついつい command + W でウィンドウを閉じようとしてしまいます。
そうすると当然、Windowsのウィンドウは閉じずにMicrosoft Remote Desktopアプリが終了し、リモートデスクトップが切断されてしまいます。
そんな事態を避けるには「設定」-「キーボード」-「キーボードショートカット」-「アプリケーション」に「Microsoft Remote Desktop.app」を追加し、「Close」のショートカットを command + W 以外に変更します。

クリップボードの転送
Microsoft Remote DesktopアプリにはMacとリモートデスクトップ接続したWindowsとの間でクリップボードの内容を転送する機能があります。
- Macでコピーした内容をWindowsでペーストする
- Windowsでコピーした内容をMacにペーストする
クリップボード転送を設定するにはMicrosoft Remote Desktopの「Edit PC」画面を開き、「Devices & Audio」タブの「Clipboard mode」を「Bidirectional」に設定します。

マウスのスクロール方向はMacと同じ
MacとWindowsではマウスホイールを回した時のスクロール方向が逆です。
Windowsのスクロール方向はリモートデスクトップ接続したMacと同じになります。
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