
社内SEとは通常、「自社」のITシステムを開発したり管理したりするSE(システムエンジニア)を指します。
この社内SEに転職したいと考える、SEやプログラマーは少なくありません。
社内SEのメリット
なぜ社内SEに転職したがる人が多いのか?
理由はこんなメリットがあるためです。
常駐ではない
日本の多くのSEやプログラマーはSES契約か派遣契約の仕事をしています。
SES契約も派遣契約も自分の会社ではなく、他人の会社に常駐して開発をします。
こうした他社に常駐しての開発はリスクがない代わりに、マネジメントスキルを身につけることはできず、年収もなかなか上がりません。
それに対して自社SEは読んで字のごとく自社のシステムを自社で開発します。
常駐仕事に希望を見いだせないSEやプログラマーが自社開発の社内SEへの転職したがっているのが1つの現実です。
顧客からの厳しい要求がない
システム開発でよく問題になるのが仕様変更です。
せっかく設計した、または実装したのに顧客から仕様変更の要求が次々と来る。
本来であれば仕様変更は追加料金(追加工数)を請求できるの嬉しいはずなのですが、IT業界の自称マネージャーの多くは追加料金を請求するだけの交渉スキルがないのが現実です。
開発人員が増えないのに仕様変更による仕事は増え、さらに今週中に仕様変更してもらわないと困る、などと要求された日にはもう・・・。
そのような仕様変更要求がデスマーチの原因となる場合もあります。
しかし、社内SEなら開発するシステムのユーザーは自社の社員です。
「顧客」でなく同じ会社の社員なら理不尽な仕様変更要求はしないのではないか、という期待があるわけです。
社内SEの現実
人気の社内SEですが、SE(システムエンジニア)と名はつくものの、現実には開発寄りの仕事でない場合も多いです(会社にもよりますが)。
新しい技術にチャレンジしづらい
特にプログラマーや技術志向のSEが社内SEに転職して不満を感じるのがこれです。
前職ではいろいろな顧客のシステムを開発し、顧客によって異なる技術、新しい技術にチャレンジできたのに社内SEとなってからずっと同じ技術を使い続けている。。。
考えてみれば当たり前の話で、自社システムに採用する技術をそう簡単に変えるわけにはいかないためです。
開発よりメンテナンス、サポート作業が多い
新規開発より、既存システムのメンテナンスやシステムを使っている社員の技術サポートのほうが多くなるのが普通です。
これも当たり前の話で、一度開発したシステムはできるだけ長い間使い続けたいからです。 そして、サポート対象は「顧客」でなく自社の社員だから厳しい要求はないかというと・・・、
- このシステムではまったく業務にならない
- 今週中、今日中になんとかしてもらわないと困る
・・・なんて話はバンバンきます。
技術がまったくわからない社員の相手もしなければなりせん。
前職では実は顧客側の技術担当者、または社内SEがある程度、そうした社員の話を整理してから開発会社に話を振っていたんだ・・・、と転職してから気づくかもしれません。
次の転職が難しい
社内SEに転職するのは職務経歴書に様々な経歴の中に「たまたま」転職先の技術にマッチした経歴があれば、難しくないかもしれません。
しかし、社内SEの職務経歴書はどんな内容になるでしょうか?
同じ技術、同じシステムの経歴が何年も続きます。
その職務経歴が「1つの技術に長年腰を据えて取り組んでいた」と前向きに評価されればいいのですが、変化の激しいIT業界では難しいものがあります。
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