興味を持ったらはじめに知っておきたい オーディオ音質改善のいろは

 

テクノロジー時代の匠の技 サウンドマネージャーの流儀とは

2018年Futuresource Consultingのレポーによるとホームオーディオブランドのトップに立つのはAmazonで市場シェアは16%、米国に本社を置くサムスン傘下のHarman / JBLが15%と続いているそう。グローバルの収益シェアでみるとBoseとHarman / JBLが各13%で上位を占めています。

スマートフォンやスマートスピーカーの普及に関わらず、ホームオーディオハードウェアは今後も伸び、2021年に向けて金額面、出荷台数面でも拡大が続くと予測されています。

この背景にあるのは「オブジェクト指向サウンド」です。これはとくに映画の音響効果を発揮する音のことで、3次元空間で対象者に合わせてデジタルにサウンドが変化するというもの。Netflixが支持していることからも、コンテンツの多様化に併せて「音響の充実」も消費者から求められていることがよく分か ります。

このような「オブジェクト指向サウンド」の実現の裏には「サウンドマネージャー」と呼ばれる人の貢献があります。

このデジタルの時代、すべてが機械によるチューニングで済むのかと思いきや、やはり繊細な耳を持つ 人間の功労が必要なのです。

2015年オーディオ機器メーカーとして知られるデノンの「サウンドマネージャー」に山内慎一氏が就任しました。サウンドマネージャーとは「デノンの音のダイレクション、つまり方向性を決めるのが役割」。最終段階で注文を付けるのではなく開発の初期段階、仕様面の確認から行い最終的な製品の音質の責任を持つ役職です。そのため、デノンは同社でエンジニアとして長いキャリアを積んできた山内氏にこの重要な職を任せているそう。

そして2019年8月、山内氏が手掛ける「究極のデノンサウンド」としてフラッグシップモデル「PMA-SX1 LIMITED」「DCD-SX1 LIMITED」を9月中旬に発売することを明らかにしました。価格はそれぞれ78万円(税抜き)、75万円(税抜き)となる予定です。(詳細の発表はこちらから)

山内氏のサウンドマネージャーとしての熱く静かな情熱はこのビデオを見ていただくとずっしりと伝わるものがあります。

音の「Vivid」「Specious」を追求する山内氏。手掛けたそのサウンドを聞くとその言葉の意味が大いに表現されていることが分かります。空間の枠を超え音に包まれる感覚、そして楽器、ボーカルが生々しく立体的に再生されるのを感じられるのです。

音質改善が活きる 3つの場面?

ホームオーディオコンポのようにすでに匠の技で究極の音として完成されているものを好む人もいれば、オーディオセットに自ら手を加えて「音質改善」を楽しむ人も多いでしょう。

音質改善が活きる3つの主要な場面は

  • 音楽/映画鑑賞
  • 音楽活動・編集
  • ゲーミング

が挙げられます。

音楽好きの人には機械マニアが多いという一説もあります。音にこだわることはその周辺機器の改造、メンテナンスにこだわることに近いものがあります。バンドマンのなかにはアンプとの接続のバナナクリップ交換といった初級編の改造からアンプ内のオペアンプなどの基盤の付け替えといった高度なものまで幅広く手掛ける人もいます。

また、ゲーミングにおける音質改善というテーマを耳にされたことがある人もいるかもしれません。ゲームのなかには「サウンドプレイ」といって、例えば戦闘ゲームで聞こえる音を頼りに前線の調整をするなど戦略、攻撃を変えるといったプレイ手法があります。

近年、プロゲーマーによる対戦を熱狂的に観戦するファンも増えています。音質改善はこのような場面でもプレイヤーのみならず、観戦者にとっても欠かせないものになっているのです。

オペアンプによる音質改善について 注意とおススメの代替案

さて、ここからは具体的な音質改善のアイディアについて代表的なものをご紹介します。

この記事を読んでいる方のなかには市販品のオーディオをオペアンプで音質改善したいという目的で情報収集されている方もいるかと思います。しかし、実は市販品の改造はお勧めできません。オペアンプで音質改善を試されたいという方は、クラフト・オーディオキットを使うことを強くお勧めします。

オペアンプはオーディオ機器のかなでも音の変化が大きいところで、アンプの回路と構成部品の多くが載っている重要な集積回路です。そのため音質に与える影響も大きく代表的なグレードアップ方法ではあるのですが、製品の規格が細かく初心者には難易度が高いと言われています。オペアンプはオンライン通販で簡単に手に入れることができます。サイトから規格の多さを垣間見ることができるかと思います。

内部を改造するのが難しい場合は、外付けの部品の交換をすることで音質改善の効果を得ることができます。

オーディオ改造初心者の方におススメの代替案はこちらです。

スピーカーと土台の間に「インシュレーター」を挟む

スピーカーの振動とともに棚やテーブルといった土台が振動すると音がこもったように聞こえてしまいます。そこで「インシュレーター」と呼ばれる部品をスピーカーと土台の間に挟むことで、その振動を抑えるという方法が手軽です。

インシュレーターの素材によって音の響きが変わりますが、10円玉でも代替可能です。スピーカーの四隅に敷くことで音の変化を楽しむことができます。

プレイヤーの側面などに「チューニングチップ」を貼る

音は反響によって左右されると言っても過言ではありません。そこで音の反響を利用して音質改善をするツールがチューニングチップです。

プレイヤーの側面、パソコンであればディスプレイ、天井、壁に貼ることでチップが互いに共鳴し、振動を拡散して制御することができます。

チューニングで有名なレゾナンス・チップ・ゴールド。販売元のレクストのサイトによるとおススメの貼り付けポイントは以下とのことです。是非参考にしてみてください。

  • オーディオ機器のフロントパネル(1個)
  • スピーカーのフロント面上部の左右(1個ずつ)
  • 電源タップの側面(1個)
  • オーディオ再生用とパソコンの典範の中央付近(1個)
  • ブルーレイ / DVDの空きスペース(1個)
  • テレビの中央部分の空きスペース(1個)

この2例はオーディオ機器の規格や特別な電子工作の知識がなくても試せるものです。ご自身の機器に合った方法で音質改善を楽しんでみてください。

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