
医療費控除とは家族全員の医療費が年10万円を超えた年の税金が安くなる制度です。
ちゃんと計算して申告すれば得をすることがわかっていても計算して申告するのが面倒。
そんな人は多いと思いますが、医療費の領収書を貰ったら「医療費集計フォーム」に記入する習慣をつけると毎年、機械的に医療費控除を申請できるようになります。
いますぐ準備しておく
医療費控除は確定申告で申請します。
確定申告とは前年の1月1日から12月31日までの税金を税務署に申告するための手続きです。
確定申告は2月16日から3月15日の間に行いますが。
しかしだからといって、医療費控除は2月16日になったら計算すればいい、・・・では結局忙しくて申告しなくなる可能性が高いです。
いつでもどこでも集計フォームに記入できる環境を準備しておき、医療費の領収書を貰ったらすぐに記入すれば翌年の2月16日には既に医療費の計算結果が出ていることになります。
医療費集計フォームをダウンロードする
国税庁は「確定申告書作成コーナー」で医療費集計フォームを提供しています。
このフォームは単に医療費を集計できるだけでなく、「確定申告書作成コーナー」でアップロードすることで、簡単に確定申告書を作成することができます。
以下から「確定申告書作成コーナー」を開きます。
「医療費集計フォーム」をクリックします。

「医療費集計フォームダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードします。

Excelを準備する
集計フォームを編集するためには表計算ソフトが必要です。
手持ちのパソコンにExcelが入っていればそれを使えばOKです。
入っていない場合はExcelを含むOfficeを購入します。
Office Personal 2019 | Office Home and Student 2019 for Mac | Office Home and Business 2019 | |
---|---|---|---|
Excel Word | ◯ | ||
PowerPoint | ☓ | ◯ | |
Outlook | ◯ | ☓ | ◯ |
Windows 10対応 | ◯ | ☓ | ◯ |
Mac対応 | ☓ | ◯ |
医療費集計フォームをOneDriveに入れる
医療費集計フォームのファイル(iryouhi_form_v3.xls)をOneDriveに入れます。
OneDriveとはマイクロソフトのオンラインストレージサービス(インターネット上にファイルを保存するサービス)です。
Windowsなら標準でインストールされているため、エクスプローラーを起動すると左側に「OneDrive」があります。

MacであればMac App StoreからOneDriveアプリをインストールします。
医療費集計フォームをOneDriveにおくことで以下のメリットがあります。
- スマホやタブレットでも編集できる
- 複数のパソコンで編集できる
- 医療費集計フォームがなくならない
スマホやタブレットでも編集できる
Excelはパソコンだけでなくスマホやタブレットでも使えます。
ただし、スマホやタブレットで使うためにはOneDriveにファイルをおいておく必要があります。
特にスマホで入力できると医療費の領収書を貰ってすぐに医療費集計フォームに入力できます。
家族が各自のスマホで同じ集計フォームに自分の医療費領収書を入力することもできます。


複数のパソコンで編集できる
自宅と職場のパソコンなど複数のパソコンで同じ医療費集計フォームを編集できます。
医療費集計フォームがなくならない
たとえ、パソコンが壊れてしまった、スマホをなくしてしまった、などの場合でもOneDriveにある医療費集計フォームはなくなりません。
医療費集計フォームへ記入する
病院や調剤薬局で領収書を貰ったら医療費集計フォームに記入します。
下はパソコンの画面ですが、帰宅してからパソコンで入力するより、帰宅途中にスマホで入力してしまうのがおすすめです。

入力が必要なのは以下の項目です。
- 医療を受けた人
- 病院・薬局などの名称
- 医療費の区分
- 支払った医療費の金額
- 左のうち、補填される金額
医療を受けた人
医療費控除は家族全員分の医療費をまとめて申請します。
そのため、ここには医療を受けた家族の名前を記入します。
一人暮らしの人は自分の名前がひたすら並ぶことになりますので、あらかじめ自分の名前をひたすらコピーしておくといいでしょう。
ちなみに医療費控除は家族の誰が申告してもいいのですが、所得税率の一番高い人が申告するのが一番お得です。
病院・薬局などの名称
医療費の支払い先が病院や薬局なら名称を記入するだけですので迷うところではないかと。
通院のために電車やバスなどの交通費が発生した場合はこの欄に「JR」や「XXバス」などと記入します。
医療費の区分
病院と調剤薬局が別れていれば病院が「診療・治療」に「該当する」、調剤薬局が「医薬品購入」に「該当する」となります。
薬も病院で貰ったなら「診療・治療」と「医薬品購入」の両方を「該当する」にします。
交通費を記載する場合は「その他」です。
支払った医療費の金額
集計フォームの左上の「支払った医療費の金額」ではありません。
そこには自動で計算結果が表示されます。
フォームの右側の「支払った医療費の金額(半角数字9桁以内)」の欄です。
当然、領収書の金額を記入します。
左のうち、補填される金額
もし、医療保険などで補填される金額があれば記入します。
医療費集計フォームをアップロードする
医療費の領収をもらうたびに医療費集計フォームを記入する習慣を続け、新年を迎えれば当然前年に支払った医療費の金額は計算されています。
前述の集計フォームの左上の「支払った医療費の金額」の欄です。
その金額が10万円を超えていれば税金が安くなる、つまり払いすぎた税金の還付を受けられる可能性があります。
還付金額を知るには自分で面倒な計算をするよりも国税庁の「確定申告書作成コーナー」で確定申告書(PDFです)を作ってしまったほうが簡単です。
前年の確定申告書を作れるようになる2月16日以降に「確定申告書作成コーナー」を開きます。
画面の指示に従って源泉徴収票の金額等を入力していきます。
「医療費控除の入力」画面では「医療費集計フォームを読み込む」を選択、「ファイルを選択」ボタンをクリックして記入済の医療費集計フォームをアップロードします。

最終的に確定申告書のPDFファイルが作成されます。
確定申告書の「医療費控除」欄が集計フォーム左上の「支払った医療費の金額」、「還付される税金」欄が戻ってくる金額です。

還付金を受け取る
もちろん確定申告書のPDFを作成しただけでは還付金は受け取れません。
確定申告書を印刷して税務署に持っていくか郵送で提出すると指定した口座に還付金が振り込まれます。
面倒な領収書の保存
上記の通り、医療費控除の確定申告は実はとても簡単です。
申告自体は簡単なのですが、申告すると面倒なことが発生します。
医療費の領収書を5年間保存する義務が発生してしまうのです。
こればかりはパソコンやスマホも役に立たず紙の領収書を5年間も保存しておかないといけません。。。
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