
医療費控除とは
医療費控除とは家族全員の医療費が年10万円以上か総所得金額の5%以上を超えた年の税金が安くなる制度です。
医療費控除は確定申告で申請します。
確定申告とは前年の1月1日から12月31日までの税金を税務署に申告するための手続きです。
ちゃんと申告すれば得をすることがわかっていても計算して確定申告するのは面倒、そんな人は多いと思います。
しかし、e-Tax(国税電子申告システム)であれば「医療費集計フォーム」を「確定申告書作成コーナー」にアップロードするだけで、医療費控除の確定申告は完了します。
紙の書類を書く必要も医療費などを計算する必要もありません。
医療費集計フォームを準備する
医療費集計フォームとは国税庁が「確定申告書作成コーナー」で提供しているExcelファイルです。
このフォームは単に医療費を集計できるだけでなく、「確定申告書作成コーナー」でアップロードすることで、簡単に確定申告書を作成することができます。
確定申告書作成コーナーを開き、「医療費集計フォーム」をクリックします。

「医療費集計フォームダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードします。

ダウンロードした医療費集計フォーム(iryouhi_form_v3.xlsx)を「iryouhi_form_令和4年分.xlsx」などにリネームし、OneDriveに移動します。
OneDriveとはマイクロソフトのオンラインストレージサービス(インターネット上にファイルを保存するサービス)で、Windowsには標準でインストールされています。
OneDriveにおいた医療費集計フォームへは以下の環境から記入できます。
自宅のWindowsやMacで記入できるのはもちろんですが、病院や調剤薬局で新しい領収書を貰ったら帰宅途中にiPhoneやAndroidで記入することもできます。
医療費集計フォームへの記入を習慣にすれば来年の医療費控除は記入済の医療費集計フォームをアップロードするだけですみます。
医療費集計フォームへ記入する

記入が必要なのは以下の項目です。
- 医療を受けた人
- 病院・薬局などの名称
- 医療費の区分
- 支払った医療費の金額
- 左のうち、補填される金額
- 支払年月日(任意)
医療を受けた人
医療費控除は家族全員分の医療費をまとめて申請します。
そのため、ここには医療を受けた家族の名前を記入します。
一人暮らしの人は自分の名前がひたすら並ぶことになりますので、あらかじめ自分の名前をひたすらコピーしておくといいでしょう。
ちなみに医療費控除は家族の誰が申告してもいいのですが、所得税率の一番高い人が申告するのが一番お得です。
病院・薬局などの名称
医療費の支払い先が病院や薬局なら名称を記入するだけですので迷うことはないかと。
通院のために電車やバスなどの交通費が発生した場合はこの欄に「JR」や「XXバス」などと記入します。
医療費の区分
病院と調剤薬局が別れていれば病院が「診療・治療」に「該当する」、調剤薬局が「医薬品購入」に「該当する」となります。
薬も病院で貰ったなら「診療・治療」と「医薬品購入」の両方を「該当する」にします。
交通費を記載する場合は「その他」です。
支払った医療費の金額
集計フォームの左上の「支払った医療費の金額」ではありません。
そこには自動で計算結果が表示されます。
フォームの右側の「支払った医療費の金額(半角数字9桁以内)」の欄です。
当然、領収書の金額を記入します。
左のうち、補填される金額
もし、医療保険などで補填される金額があれば記入します。
支払年月日(任意)
支払年月日は任意ですが、たいした手間ではないので入力しておくと紙の領収書を照らし合わせる場合に便利です。
e-Taxで確定申告する
医療費集計フォームの記入が終わったら、パソコン(WindowsかMac)で確定申告書作成コーナーを開き、「作成開始」をクリックします。

「スマートフォンを使用してe-Tax」をクリックします。

「令和4年分の申告書等の作成」を選択し、「所得税」クリックします。

「連携しないで申告書等を作成する」を選択し、「次へ進む」をクリックします。

画面に表示されるQRコードからiPhoneかAndroidスマホに「マイナポータル」アプリをインストールします。
iPhoneかAndroidスマホにアプリをインストールしたらパソコン画面の「利用規約に同意して次へ」をクリックします。

スマホでマイナポータルアプリを起動し、パソコン画面のQRコードを読み取ります。

スマホのマイナポータルアプリでマイナンバーカードの暗証カードを入力し、マイナンバーカードを読み取るとパソコンの画面に「マイナンバーカードの読み取りが完了しました」が表示されるので「次へ」をクリックします。

「住所等検索が完了しました。」が表示されるので「OK」をクリックします。

「e-Tax等への登録情報は次のとおりです」の画面で登録情報を確認し、「申告書等を作成する」をクリックします。

「申告書の作成を始める前に」の画面では「以下のいずれかの控除を受けますか?」の質問に「はい」と回答します。

画面の指示に従って源泉徴収票の金額等を入力していきます。
「所得控除の入力」画面で「医療費控除」の「入力する」ボタンをクリックします。

「適用する医療費控除の選択」画面で「医療費控除を適用する」をクリックします。

「入力方法選択(医療費控除)」画面では「医療費集計フォームを読み込む」にチェックして「ファイルを選択」ボタンをクリックして記入済の医療費集計フォームを選択し、「選択したファイルを読み込む」ボタンをクリックします。

「医療費集計フォーム読込結果」の「支払った医療費の合計額」を確認して「次へ進む」をクリックします。

「医療費の入力」画面は下へスクロールして「次へ進む」をクリックします。

「医療費控除額」を確認し、画面を下にスクロールして「次へ進む」をクリックします。

「次へ」をクリックしていくと確定申告で還付される金額が表示されます。

画面に指示に従ってe-taxで確定申告書を送信します。
面倒な領収書の保存
上記の通り、医療費控除の確定申告をe-Taxでするのは実はとても簡単です。
申告自体は簡単なのですが、申告すると面倒なことが発生します。
医療費の領収書を5年間保存する義務が発生してしまうのです。
こればかりはパソコンやスマホも役には立たず、紙の領収書を5年間も保存しておかないといけません……
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