
医療費控除とは
医療費控除とは家族全員の医療費が年10万円以上か総所得金額の5%以上を超えた年の税金が安くなる制度です。
医療費控除は確定申告で申請します。
確定申告とは前年の1月1日から12月31日までの税金を税務署に申告するための手続きです。
ちゃんと申告すれば得をすることがわかっていても計算して確定申告するのは面倒、そんな人は多いと思います。
しかし、e-Tax(国税電子申告システム)であれば「医療費集計フォーム」を「確定申告書作成コーナー」にアップロードするだけで、医療費控除の確定申告は完了します。
紙の書類を書く必要も医療費などを計算する必要もありません。
必要なもの
医療費集計フォームで集計した医療費をe-Taxで確定申告するためには以下が必要です。
- マイナンバーカード
- iPhone 7以降(iOS13.1以上)かマイナポータル対応のAndroid
- パソコン(Windows/Mac)
- Excel
- 医療費集計フォーム
ICカードリーダーは不要
令和2年分(2020年分)まではパソコンでのe-TaxにはICカードリーダーが必要でした。
しかし、令和3年分(2021年分)からはマイナポータルアプリ対応のスマホでマイナンバーカードを読み取ることで不要になっています。
Excel
Excelは手持ちのパソコンに入っていればそれを使えばOKです。
入っていない場合は以下をどうぞ。
医療費集計フォーム
医療費集計フォームとは国税庁が「確定申告書作成コーナー」で提供しているExcelファイルです。
このフォームは単に医療費を集計できるだけでなく、「確定申告書作成コーナー」でアップロードすることで、簡単に確定申告書を作成することができます。
以下から「確定申告書作成コーナー」を開きます。
「医療費集計フォーム」をクリックします。

「医療費集計フォームダウンロード」ボタンをクリックしてダウンロードします。

医療費集計フォームはOneDriveに入れると便利
医療費集計フォームのファイル(iryouhi_form_v3.xls)はOneDriveに入れておくと便利です。
OneDriveとはマイクロソフトのオンラインストレージサービス(インターネット上にファイルを保存するサービス)です。
Windowsなら標準でインストールされているため、エクスプローラーを起動すると左側に「OneDrive」があります。

MacであればMac App StoreからOneDriveアプリをインストールします。
医療費集計フォームをOneDriveにおくことで以下のメリットがあります。
- スマホやタブレットでも編集できる
- 複数のパソコンで編集できる
- 医療費集計フォームがなくならない
スマホやタブレットでも編集できる
Excelはパソコンだけでなくスマホやタブレットでも使えます。
ただし、スマホやタブレットで使うためにはOneDriveにファイルをおいておく必要があります。
とくにスマホで入力できると医療費の領収書を貰ってすぐに医療費集計フォームに入力できます。
家族が各自のスマホで同じ集計フォームに自分の医療費領収書を入力することもできます。


複数のパソコンで編集できる
自宅と職場のパソコンなど複数のパソコンで同じ医療費集計フォームを編集できます。
医療費集計フォームがなくならない
たとえ、パソコンが壊れてしまった、スマホをなくしてしまった、などの場合でもOneDriveにある医療費集計フォームはなくなりません。
医療費集計フォームへ記入する
病院や調剤薬局で領収書を貰ったら医療費集計フォームに記入します。
下はパソコンの画面ですが、帰宅してからパソコンで入力するより、帰宅途中にスマホで入力してしまうのがオススメです。
確定申告時に医療費の領収所をかき集めて医療費控除を計算すればいい……では結局忙しくて申告しなくなる可能性が高いためです。
いつでもどこでも集計フォームに記入できる環境を準備しておき、医療費の領収書を貰ったらすぐに入力するのを習慣にすれば翌年には医療費集計フォームをアップロードするだけになります。

入力が必要なのは以下の項目です。
- 医療を受けた人
- 病院・薬局などの名称
- 医療費の区分
- 支払った医療費の金額
- 左のうち、補填される金額
- 支払年月日(任意)
医療を受けた人
医療費控除は家族全員分の医療費をまとめて申請します。
そのため、ここには医療を受けた家族の名前を記入します。
一人暮らしの人は自分の名前がひたすら並ぶことになりますので、あらかじめ自分の名前をひたすらコピーしておくといいでしょう。
ちなみに医療費控除は家族の誰が申告してもいいのですが、所得税率の一番高い人が申告するのが一番お得です。
病院・薬局などの名称
医療費の支払い先が病院や薬局なら名称を記入するだけですので迷うところではないかと。
通院のために電車やバスなどの交通費が発生した場合はこの欄に「JR」や「XXバス」などと記入します。
医療費の区分
病院と調剤薬局が別れていれば病院が「診療・治療」に「該当する」、調剤薬局が「医薬品購入」に「該当する」となります。
薬も病院で貰ったなら「診療・治療」と「医薬品購入」の両方を「該当する」にします。
交通費を記載する場合は「その他」です。
支払った医療費の金額
集計フォームの左上の「支払った医療費の金額」ではありません。
そこには自動で計算結果が表示されます。
フォームの右側の「支払った医療費の金額(半角数字9桁以内)」の欄です。
当然、領収書の金額を記入します。
左のうち、補填される金額
もし、医療保険などで補填される金額があれば記入します。
支払年月日(任意)
支払年月日は任意ですが、たいした手間ではないので入力しておくと紙の領収書を照らし合わせる場合に便利です。
e-Taxで確定申告する
医療費の領収をもらうたびに医療費集計フォームを記入する習慣を続け、新年を迎えれば当然前年に支払った医療費の金額は計算されています。
医療費集計フォームの左上の「支払った医療費の金額」の欄です。
確定申告書の時期になったらパソコン(WindowsかMac)で「確定申告書作成コーナー」を開きます。
「作成開始」をクリックします。

「マイナンバーカード方式(2次元バーコード)」をクリックします。

「令和3年分の申告書等の作成」をクリックします。

「所得税」クリックします。

「連携しないで申告書等を作成する」を選択し、「次へ進む」をクリックします。

画面に表示されるQRコードからiPhoneかAndroidスマホに「マイナポータル」アプリをインストールします。
iPhoneかAndroidスマホにアプリをインストールしたらパソコン画面の「利用規約に同意して次へ」をクリックします。

スマホでマイナポータルアプリを起動し、パソコン画面のQRコードを読み取ります。

スマホのマイナポータルアプリでマイナンバーカードの暗証カードを入力し、マイナンバーカードを読み取るとパソコンの画面に「マイナンバーカードの読み取りが完了しました」が表示されるので「次へ」をクリックします。

「住所等検索が完了しました。」が表示されるので「OK」をクリックします。

「e-Tax等への登録情報は次のとおりです」の画面で登録情報を確認し、「申告書等を作成する」をクリックします。

「申告書の作成を始める前に」の画面では「以下のいずれかの控除を受けますか?」の質問に「はい」と回答します。

画面の指示に従って源泉徴収票の金額等を入力していきます。
「所得控除の入力」画面で「医療費控除」の「入力する」ボタンをクリックします。

「適用する医療費控除の選択」画面で「医療費控除を適用する」をクリックします。

「入力方法選択(医療費控除)」画面では「医療費集計フォームを読み込んで、明細書を作成する」を選択、「ファイルを選択」ボタンをクリックして記入済の医療費集計フォームをアップロードします。

「医療費集計フォーム読込結果」の「支払った医療費の合計額」を確認して「次へ進む」をクリックします。

「医療費の入力」画面は下へスクロールして「次へ進む」をクリックします。

「医療費控除額」を確認し、画面を下にスクロールして「次へ進む」をクリックします。

「次へ」をクリックしていくと確定申告で還付される金額が表示されます。

画面に指示に従ってe-taxで確定申告書を送信します。
面倒な領収書の保存
上記の通り、医療費控除(確定申告)をネットでするのは実はとても簡単です。
ネットでの申告自体は簡単なのですが、申告すると面倒なことが発生します。
医療費の領収書を5年間保存する義務が発生してしまうのです。
こればかりはパソコンやスマホも役には立たず、紙の領収書を5年間も保存しておかないといけません……
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