InkCase

InkCase

InkCaseとは電子ペーパーを搭載したiPhone用のケースです。

液晶と電子ペーパーの併用

電子ペーパーは目に優しく電池持ちがいいというメリットはあるものの、カラー表示ができず表示切り替えが遅いというデメリットのためにメインにディスプレイにはなりえません。

そこで液晶と電子ペーパーを併用するという発想が出てきます。

例えばパソコンの電子ペーパーディスプレイであるPaperlikeはメインディスプレイとするのはほぼ不可能ですが、メインの液晶のサブとして使うのであれば充分実用になります。

そして、Androidスマホの表面に通常の液晶、背面に電子ペーパーを搭載したのがYotaPhone 2でした。

YotaPhone2

YotaPhone 2では背面の電子ペーパーにAndroidの画面を表示し、電子ペーパーでAndroidを使うことができました(次のYotaPhone 3ではなぜか電子ペーパーにAndroid画面が表示できなくなったのですが)。

残念ながらYotaPhone 2の開発元であるYota社は2019年に破産してしまったため、後継機などは期待できません……

そしてiPhoneにはご存じの通り、背面に電子ペーパーを備えるモデルはありません。

iPhoneのケースに電子ペーパーを搭載することでiPhoneでも電子ペーパーが使えるようにするのがInkCaseです。

InkCaseのスペック

対応機種iPhone 7 / 8iPhone 7 Plus / 8 Plus
画面サイズ4.3インチ5.2インチ
解像度480×800
(217 ppi)
540×960
(217 ppi)
重量62 g
メモリ128 MB
ストレージ256 MB
バッテリー460 mAh
電子書籍形式EPUB
TXT

ちなみに2012年に発売された楽天の5インチ電子ペーパー端末であるKobo miniの解像度が600×800でした。

Kobo miniを持っていた人ならInkCaseの解像度による限界も想像できるかと思います。

また、KindleやKoboのようなフロントライトはないため、薄暗いとかなり見づらいです。

iPhone 8のワイヤレス充電は非対応

対応機種にiPhone 8 / Plusとありますが、InkCaseをつけるとiPhone 8のワイヤレス充電はできなくなります。

電子書籍のコンテンツがない

電子書籍が読める、となってはいますがその電子書籍とはKindleでもKoboでもPDFでもCBZ(ZIP)でもありません。

対応しているのはDRM(デジタル著作権管理)なしEPUBかTXTのみです。

その形式の電子書籍は大昔の作品か名もない個人の小説くらいで残念ながら読みたいものがあまりありません。

また、パソコンのEPUBかTXTコンテンツをInkCaseで読むためには以下の手順が必要です。

  1. EPUBかTXTファイルをメールに添付してiPhoneに送信
  2. iPhoneのメールアプリで添付ファイルをInkCaseアプリで開く
  3. InkCaseアプリでInkCase本体に転送

KindleならSend-to-Kindle Eメールアドレスに添付して送信するだけ電子ペーパーでTXTファイルやHTMLファイルを読めるため、それに比べると随分と手間がかかる感はあります。

Pocketが抽出したコンテンツが読めるわけではない?

そんなEPUBとTXTの限界を見越してかInkCaseにはPocketとの連携機能が搭載されています。

PocketにはWebページを読みやすいように整形する以下のような機能があります。

  • Webページから広告やメニューなどを削除し、本文のみを抽出する。
  • 複数のページで構成されたWebページを1つにまとめる。

Webページは電子ペーパーで読むにはまったく向きません。

でも、Pocketのページ解析はとても優秀でWebページをまるで書籍のように整形してくれます。

InkCaseならその優秀なPocketのページ解析機能でWebページを電子ペーパーで書籍のように読める、

と考えていたのですが、どうもそうではないようです。

InkCaseのPocket機能でWebページを読もうとすると以下の問題が起こります。

  • Webページの画像が表示されない場合がある(InkCaseのPocket機能には画像を削除する機能があるのですが、それをOFFしても表示されない画像があります)。
  • 複数のページで構成されたWebページは最初の1ページしか読めない。

同じWebページの表示が本家PocketとInkCaseのPocket機能で異なるのです。

しかし、InkCaseのPocket機能にWebページを登録すると本家Pocketにも同期はされます。

これ挙動を見る限り、どうも以下のような作りになっているようです(あくまで推測です)。

  • InkCaseのPocket機能と本家PocketとはWebページのURLのみをやりとりしている。
  • InkCaseの本家Pocketのページ解析結果を表示しているわけではなく、独自にWebページを解析している。

まあ、画像を含まず複数ページで構成されていないWebページであればこの機能によって手軽に電子ペーパーで読めます。

InkCaseの電池を消費するもの

InkCase本体には460 mAhのバッテリーが搭載されています。

電子ペーパーは書き換え時にしか電力を使わないため、その程度の容量で充分……と思っていたのですが甘かったようです。

iPhoneからInkCaseへのコンテンツ(EPUB/TXT/Pocket)の転送はBluetoothで行われます。

転送を行うとバッテリーが減っていくようなので、どうもBluetoothが思ったより電池をくうのかもしれません。

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